企業や組織が直面する様々な業務およびシステム課題を解決するにあたって、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)などのデスクトップ仮想化は非常に有効なソリューションの選択肢です。本来クライアントにあるデスクトップ環境をサーバーに集約することにより、運用管理の効率化やセキュリティ強化などのシステム管理上のメリットを通じ、安全なテレワークによる働き方改革の実現など、多くの課題解決につながります。

ここでは、VDIには具体的にどのようなメリットがあるのかを、ユーザー視点と管理者視点に分けて紹介します。

ユーザー視点のメリット

VDIに限らず、新たなシステム環境を構築する際は、管理者や経営者の視点で導入を検討することが多くあります。しかしながら、デスクトップに関してはユーザーの業務環境そのものでもあるため、ユーザーの視点は非常に重要です。

そこでまずは、VDIを導入するにあたってユーザー視点のメリットに重視する必要があります。

メリット1.生産性の向上

VDIによってクライアントのデスクトップ環境をサーバーに集約すると、ユーザーは使用する端末にかかわらず同じデスクトップ環境にアクセスできます。たとえば、デスクに据え置きされているクライアントでも、社外持ち出し用のクライアントでも同じデスクトップ環境を使用できるため、社外にいてもデスクと同じ作業ができます。

社外にクライアントを持ち出して業務を行うことが多い企業では、一般に事前のデータバックアップや申請手続き、多要素認証にデータ暗号化など実に多くの手間がかかっています。当然そこにはコストもかかっています。

VDIはクライアント自体にデータやアプリケーションは保存されておらず、作成したドキュメントなどのあらゆるデータはサーバーに保存されます。従って、定期的にサーバーのデータバックアップを行えばよく、ネットワーク環境さえあればどこからでもいつものデスクトップにアクセスし、業務を行うことができるようになります。

このようにどこでも業務が行えることにより、ユーザーの生産性を大幅に向上できます。

メリット2.新しいワークスタイル(働き方改革)

今日、働き方改革は日本における国策のひとつとして位置づけられ、多くの企業や組織はワークスタイルの実現が求められています。安倍内閣が働き方改革実現推進室を設置し、国をあげてワークスタイル変革に取り組んでいます。働き方改革のテーマは多岐にわたりますが、場所に依存せずに仕事ができるようなワークスタイルに変化をもたらしたいという企業経営者は多いでしょう。

柔軟な新しいワークスタイルを実現することは、ユーザーにとっても大いにメリットがあります。代表的なものがリモートワークです。在宅しながら業務を行えるため、時間と気持ちのゆとりが十分に取れ、生産性向上につながります。

VDIは、こうした新たなワークスタイルによる働き方変革に欠かせない存在です。端末や場所を選ばずに同じデスクトップ環境にアクセスできることは、多様なワークスタイルの起点になります。

メリット3.タブレットのさらなる活用

業務にタブレットやスマートフォンなどの端末を導入している企業は多いでしょう。しかし、利用範囲がメールやスケジュール管理だけで終わっているケースが珍しくありません。タブレットの業務活用が必須だと理解していても、実際にはアプリケーションの対応やセキュリティリスクを考慮し、活用し切れていないケースが多くあります。

VDIを導入した環境では、パソコンだけでなくタブレットでも同じデスクトップ環境やデータにアクセスができます。わざわざノートパソコンを持ち歩く必要もなく、タブレットでもWindowsベースの業務アプリケーションの利用などが可能です。これにより、社内、外出中、自宅などの場面に応じた最適なデバイスを活用することにより、さらなる生産性の向上が可能になります。

メリット4.安心して利用できる

情報漏えいなどのセキュリティ事件が相次いでいる現在、クライントを使用するユーザーに高いセキュリティ意識が求められています。意識が高いほどセキュリティが向上する反面、これに辟易しているユーザーも少なくないようです。

セキュリティを意識するあまり情報収集が思うように進まなかったり、利用をかなり制限されたりと、フラストレーションが溜まってしまう環境になっています。

特に可搬性の高いモバイルデバイスは、それだけ紛失や盗難のリスクがあり、それがセキュリティのインシデントに直結するため、ユーザーとしてもあまり持ち歩きたくないというケースもあるでしょう。VDIではデータやアプリケーションは端末に残らないため、万が一の事故でもインシデントにならず、安心して利用することができます。

たとえば接待等の酒席の前に端末を置きに帰るなどの対策も不要になり、モバイル業務とセキュリティにまつわるストレスを下げて業務が行えるでしょう。

以上のように、VDIにはユーザーから見てもこれまでの場所に制約された業務環境から解放され、安全に利用できるという非常に大きなメリットがあるのです。

管理者視点のメリット

VDI導入ではまずユーザー視点でのメリットを考慮することが大切ですが、続いて管理者にとってどのようなメリットがあるかを確認します。ユーザーばかりにメリットがあって管理者にはメリットがないようではトータルのメリットが薄らいでしまうので、事前に確認しておきましょう。

メリット5.運用管理の負担軽減

ユーザーごとにクライアントとデスクトップ環境が分散している場合、管理者の負担がかなり大きなものです。アップデート対応時はクライアントごとに行ったり、新しいユーザーを追加する都度現場に赴いたり、この他にもユーザーからの問い合わせに対応したりと何かと手間がかかります。

こうした手間を軽減するだけでも、管理者の生産性が大幅に向上するでしょう。クライアントのデスクトップ環境をサーバーに集約するVDIでは、運用管理を一手に行えるため大幅に負担軽減が見込めます。

どの程度軽減できるかは現況や導入する製品によって異なるものの、VDIを導入すれば確実にクライアントの運用管理負担は軽減されるでしょう。

ただし、VDIとそれにかかわる知識と技術が必要になるので、VDI特有の運用をあらかじめ設計することも重要なポイントです。

メリット6.セキュリティの簡素化

クライアントのデスクトップ環境を集約できるということは、セキュリティをひとまとめにできるということでもあります。これまでセキュリティパッチの適用やセキュリティソフトのインストールをクライアントごとにしていた場合は、セキュリティ管理の負担を大幅に軽減できるでしょう。

さらに、各ユーザーのデスクトップを常にモニタリングできるため、問題の発見や対処も迅速に行うことが可能になり、セキュリティリスクを低減できます。

メリット7.故障時の対応が容易

クライアントごとにデスクトップ環境が存在する場合、端末が故障するとデータ復旧や端末交換、初期設定などかなり多くの手間があります。こうした業務に追われて、本来業務に集中できないこともあり、またその間ユーザーの業務も止めてしまうかもしれません。

一方VDIでは、端末が故障した場合でも端末交換だけで済むので、対応が少なく手間がありません。デスクトップ環境はサーバー上にあるので、故障した端末は入れ替えて接続品楚洲だけでこれまでと同じ環境を継続できます。

Lakeside SysTrackの特徴

上記に挙げたユーザーのメリットと管理者のメリットはそれぞれ表裏一体のものです。ユーザーの利用状況を正しく把握することは管理者のメリットだけではなく、パフォーマンスの維持や障害時の迅速な対応などにつながり、結果的にユーザーは安心してどこでも仕事ができる働き方改革をサポートしたり、セキュリティの不安を持たずに利用ができるのです。システム運用管理ツールであるSysTrackは、以上のようなVDIのメリットを最大化するための運用管理機能を提供します。クライアント環境のインベントリ情報だけでなく、アプリケーションレベルの利用状況やパフォーマンスも把握することにより、ユーザーおよび管理者がVDIのメリットを最大限に享受できるための運用管理体制をサポートします。

メリットと課題のバランスを考慮する

今回は、VDIが持つ7つのメリットを紹介しました。これらは非常にベーシックなものであり、業務の内容によってはさらに様々なメリットを得られるでしょう。ただし、メリットばかりではなく、導入にあたって事前に確認することもあります。

その中のひとつがVDI運用に関する知識や技術です。特にクライアントからサーバー側のデスクトップに接続するには、ネットワークだけでなく、サーバー側のパフォーマンス、ストレージ、仮想インフラなどの様々な要素が組み合わさっているため、運用やトラブル時の対応は特に注意が必要です。またサーバー側での障害は多くのユーザーの業務環境に影響を与えるため、より迅速な対応が求められます。
そのためには運用時にモニタリングツールや対応する体制も合わせて検討することが非常に重要になります。

こうしたポイントを踏まえた上でメリットとのバランスを考慮し、自社にとってのVDIのメリットを確認し、最大限活用することが望まれます。

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