システムパフォーマンスが低いからどうにかしてほしい!Windows 10にアップグレードしたらアプリケーションが重くなった!処理が終わらないからどうにかしれくれ!パソコンの動作が重すぎて仕事にならない!ヘルプデスク担当者やそれらを兼任している情報システム担当者の方であれば、ユーザー部門からのこのようなクレームを頻繁に受けて辟易としているかもしれません。

このようなケースは、総じて「システムが遅い」というクレームです。そのためには遅い原因を究明してパフォーマンスチューニングと呼ばれる仕事が必要になるわけです。パフォーマンスチューニングは、2000年以前ではプロフェッショナルの仕事でした。今よりもIT活用がずっと少ない時代、多くのコンピュータはメインフレームで動作していました。日々の仕事をプロフェッショナルユーザーがコンピュータを活用し、そのメンテナンスもプロフェッショナルが行っていた時代です。

しかし今は違います。企業のIT活用が盛んになるについて、一人一台のPCは当たり前ですしモバイルデバイスの普及にともないエンドポイントは多様化しています。つまり、昔と違いプロではないユーザーが、大量のデバイスを活用しながら仕事をしています。それゆえ、必然的にヘルプデスクの担当者は多くのヘルプを効率的にこなさなければならないようになっているのです。

本稿では、システムパフォーマンスの改善を命じられたヘルプデスク担当者や技術者向けに、システムが遅い時の対処法についてご紹介します。

基本的な考え方と手順が大切

ヘルプデスク担当者が日々直面しているシステムパフォーマンスの問題は、複雑で解決が容易ではありません。しかし、どんなに難しい問題でも解決策は必ずありますし、改善を効率よく実施するための「基本」があります。
 
システムパフォーマンスを改善しようという際に、技術的な解析やアクションへすぐに取り組んでしまいがちです。ところが、基本的な考え方と手順を理解しないままにパフォーマンスのチューニングを行ってしまうと、手戻りの発生により非効率な作業が発生します。
 
結局、問題が長期化するばかりで悪循環に陥るものの、ユーザー部門からの要求は変わらず増え続けるので担当者が辟易するのは目に見えています。

ヘルプデスク担当者が念頭に置きたいポイント

システムパフォーマンスの改善へ取り組むにあたり、常に念頭に置きかつ忘れてはいけないポイントがあります。

1.必ず綿密な計画を持つこと

何事も準備と計画が肝になるように、システムパフォーマンス改善も同じです。多くのクレームは緊急を要しますが、時間と精神に余裕がない中でシステムを操作しても良い結果は出ません。まずは冷静に、改善に向けて計画を立てることが大切です。ただし、重大なトラブルが発生した際は計画を立てる余裕がないことも多いでしょう。そうした際も計画通りに事を勧められるように、普段から心掛け、「計画→アクション」を実践しておくことが重要です。

2.先入観で取り組まないこと

あるトラブルが起き、システムパフォーマンスの改善へあたる際に注意すべきことは、計画段階で推定原因を挙げて思い込みで原因を決めつけないことです。何か問題がある際は直近や目先の事象にとらわれて原因を推測しがちなので、ほかの事象とも突き合わせてつじつまが合うかなどをよく検討することが大切です。その際にはやはり問題を解決するために必要な現状のデータが必要になります。

3.事実と推測を分けること

原因を絞り込もうとしている段階でよく起こることが、確認された事象と未確認な推測を混同してしまい、両方が事実としてアクションプランを立ててしまうことです。特に複数の担当者が共同で解析を進めている場合に発生しがちです。

4.常に目的を見失わないこと

システムパフォーマンス改善に取り組む中で、そもそも何が目的だったのか?を見失ってしまうことがよくあります。業務システムの反応時間を短縮しようとしているつもりが、処理能力を上げることに注力していたなど。効率良く改善するためには、常に何のために作業をしているかを念頭に置きながら取り組む必要があります。

5.誰の問題かを意識すること

「問題」というのは誰かの主観から顕在化されるものなので、その問題を定義することとそれを共通の認識とする必要があります。つまり、システムパフォーマンスの低下を「問題だ」と思っている人がいるからこそ改善が必要であり、誰の問題を解決すればよいかの重点を置けば、効率的に改善に取り組むことができます。

問題を定義する

システムパフォーマンス改善で欠かせなのが「問題の定義」です。ヘルプデスクにクレームを寄せた人や関係者からヒアリングを行い、その時点で観察されたシステムの事象やデータなどをもとに問題を定義します。

1.誰の問題か?

結局のところ、システムパフォーマンス改善とは誰の問題を解決すればよいか、というところに行き着きます。顧客かユーザー部門か、経営陣か、営業の位置担当者なのか、たいていの問題は複数の関係者に影響をおよぼします。ただし、誰の問題かを特定することで、優先順位と解決方法が異なります。

2.何が問題なのか?

その人にとって何が問題なのか?を明確にすることで、問題を掘り下げて考えることが可能です。たとえば、「システムの検索欄にキーワードを入力して検索ボタンを押しても、欲しい情報が手に入るまでに3分以上かかる」といった問題ならば、それに何が問題なのか?を明確にすることで、「お客様を待たせてしまう」などの本質的な問題を突き止めることができます。

3.なぜ問題なのか?

先ほどの事例でいえば、「待ち時間が長くなることで顧客満足度が下がり、製品売上に影響が出る」というところまで問題を掘り下げるために、なぜ問題なのか?そこまでを考えます。

4.いつからの問題か?

システムパフォーマンスの低下がいつから問題になったのか?というのは、複数の関係者から話を伺うのがベストです。なぜなら、関係者ごとに問題になったと感じる時期が異なるため、原因を素早く特定するのに貢献します。

5.問題の影響度は?

システムパフォーマンス改善の優先順位と、いつまでに解決すべきかを決定するために問題の影響度を知る必要があります。影響度が評価しづらい場合、その問題を放置したらどうなるのか?などを考え、定量的に影響度を把握できるとよいでしょう。

6.対象となるシステムは?

最後に、どのシステムでパフォーマンスの低下が発生しているのかをきちんと整理しておきます。クレームを寄せた当事者とヘルプデスク担当者との間で意識の相違が起きてしまうと、取り組んだ改善活動も手戻りが多くなる可能性があります。

問題解決に必要不可欠なIT

こうしたヘルプデスク業務を成功に導くためにはITツールを積極的に採用することが必要不可欠です。ITツールに関してはシステムパフォーマンスを常にチェックしたり、問題の原因究明を半自動化したりするために欠かせません。ITツールを積極的に採用することで、ヘルプデスク業務の精度とスピードを向上させることが可能になります。

例えばSysTrackのようなデジタル モニタリング ツールを活用すれば、複雑化し絡み合う情報システム環境においても、原因究明と問題解決を瞬時に実行できるだけでなく、問題が発生する前の兆候も検知可能になります。

SysTrackでは、企業の情報システムの問題を瞬時に特定する機能や、プロアクティブな予防保守などにもご活用いただけます。基本をもとに、環境に適した組織独自のトラブルシューティングを徐々に完成させていきましょう。そして、SysTrackのようなITツールをフル活用することでエンドユーザーの効率性と生産性を最大限に高めることも可能になります。

システムパフォーマンス改善は慎重さをもって!

システムパフォーマンス改善と聞くと、とにかく素早く解決しなければいけないと考えがちですが、実際は違います。「急がば回れ」の精神で計画し、問題をしっかりと定義した上で取り組まなければ、結局手戻りばかりで改善されないシステムパフォーマンス活動に取り組んでしまいます。本稿でご紹介した内容をもとに、システムパフォーマンス改善は慎重さをもって取り組みましょう。

SysTrackは、インサイトを活用した診断と問題対応により、ヘルプデスクのコストを大幅に削減しながら、ユーザーの生産性を飛躍的に向上させます。

ヘルプデスク ソリューションのSolution Briefをご参考にご覧ください。

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