社内システムにはさまざまなものがあります。財務会計システム、受注管理システム、人事給与システムなど経営を根底から支える基幹系システム。生産管理システムやCADシステム、仮想デスクトップなど生産現場を支えるシステム。そして、グループウェアやSFA(Salesforce Automation)などコミュニケーションや情報活用を支援するための情報系システム。

これだけではありません。社内システムを構築するための環境やオンプレミスとクラウドが混在しており、社内システム運用の一部を第三者にアウトソーシングしている場合もあります。昨今の社内システムはまさに「複雑」の一言に尽きます。

本稿では、そんな複雑化した社内システムに発生するさまざまな問題を、どう解決していけばよいのかを解説します。

なぜ社内システムは複雑になるのか?

ITの歴史を少し遡りますと、1980年に主流だったメインフレーム(汎用機)の時代では、社内システムの複雑化が起こるようなことはありませんでした。なぜなら、メインフレームに全てのアプリケーションが常駐し、それを扱う専門家だけがITを活用していたからです。昨今の社内システム環境に比べると、非常にシンプルな構成だったと言えるでしょう。

その後クライアント/サーバーシステムが主流になり、コンピューターは次第に「従業員1人に1台」が当たり前になりました。当然のことながらこのパラダイムシフトにより複数のアプリケーションがいたるところに展開されていく結果となりました。多くの場合、部門ごとに最適なソフトウェアをサーバーにインストールし、部門に1つ社内システムがある環境を構築したことで、それぞれの作業効率を追求していくようになったのです。しかし、その個別最適化が生んだのは作業効率向上という効果だけではなく、「社内システムの複雑化」という弊害まで生んでしまいました。

なぜ社内システムが複雑だとダメなのか?

「社内システムが複雑化されたといっても、それが個別最適化を追求した結果なのだから、組織にとっては良いのではないの?」という疑問を持たれる方も多いでしょう。数年前の日本ではそうした企業が多く、社内システムの統合化は「新しいことを始めたいベンダー都合のトレンド」と考え、個別最適化から脱却しようという企業は少なかったことも事実です。

ところが個人情報保護法の施行、リーマンショックや東日本大震災を境に、徐々に複雑化したIT環境をシンプルにしてコストを低減させながらセキリティと事業の継続性を担保しながら、激化する市場への対応を容易にするための施策へと舵取りされ始めたのです。
また、それと並行して2012年頃から「ビッグデータ」というキーワードが浸透し始めました。ビッグデータとは社内に蓄積されているあらゆるデータを大規模な1つのデータ群として捉えて、それをタイムリーに集計・分析・加工することで情報活用を促進し、ビジネスに新しい知見を導き出したり、新規事業の発足に役立てたり、業務改善を祖更新したりする取り組みを指します。

これらのコスト削減や俊敏性、柔軟性、そして、ビッグデータが本格的になっていく中で、多くの企業が社内システムを統合すること、そしてシンプルにすることの重要性に気づいていきます。

社内システムが複雑だとデータの集計だけでも相当な時間がかかってしまいます。また、必要なデータを定義する際も、各社内システムがどんなデータを出力できるのかを経営者が把握できていないケースが多く、そもそもデータ集計に入るまでに多大な時間を費やしてしまうのです。

統合的な社内システムがあれば、こうした問題は一気に解消されます。基幹系システムも情報系システムも、すべて同じプラットフォームやデータセンターで管理されるようになるのですから、あちこちからデータを集計する必要はありませんし、その後のデータ分析にいたっても非常にスムーズに行うことができます。

ここまでの話をまとめますと複雑化する社内システムの弊害は、コスト増、俊敏性の欠如、柔軟性の欠如、経営への貢献の欠如など多くのデメリットがあるのです。

社内システムを改善していく

統合的な社内システム環境が最適だということを理解していても、ERPのような大規模なIT製品や統合を支援する仮想化システムは簡単には導入できるものではありません。昨今ではクラウドサービスも充実しているものの、既存の業務プロセスを大きく変える必要もあるため、導入は慎重に進める必要があります。

また、ERPや仮想化技術などのIT製品を導入しない場合でも社内システムの「改善活動」を展開していくことで、個別最適から生まれた業務の非効率性など悪いものを排除していくことができます。では、社内システム改善はどのようにして推進していくのがよいのか?

  1. 社内システムの「見える化」を実施する
    まず大切なのは、社内システムのあらゆる状態を目に見えるようにすることです。これを「見える化」といいます。各社内システムが担っている業務プロセス、担当者、他社内システムとの連携、ビジネス上の役割、誰がどのアプリケーションをどれくらい使っているのか、使っていないアプリケーションはないのか、など社内システムに関するあらゆる情報を「見える化」することが重要です。
  2. 社内システムの要否を検討する
    「見える化」を実施したら、その上で社内システムの要否について検討していきます。基幹系システムに関しては不要なものはないでしょうが、現状として無駄な業務プロセスを生んでいる基幹系システムが存在する可能性もあります。また、多人数のライセンス契約を締結していても実際に使っているユーザーはごく少数などの場合もあるでしょう。そうした際は、そのシステムは本当に必要なのかをステークホルダーを集めて検討すると良いでしょう。
  3. 社内システムの問題を洗い出す
    「保守運用費用が想像以上にかかっている」「システム仕様が分からずブラックボックス化している」「社内システムが古くなり、現代ビジネスに即していない」など、社内システムにはさまざまな問題があります。それらの問題を総合的に洗い出していくことも大切です。
  4. 問題解決に向けて必要な対策を知る
    問題を把握することができたら、各問題に優先順位を付けて必要な対策について考えていきます。関係者全員でどんどんアイディアを出していくことが大切です。
  5. 継続的な改善活動を実施していく
    問題解決の対策が決まったら、PDCAサイクルを回しつつ継続的な改善活動を実施していきます。「継続的」というのが大切なポイントであり、改善活動は続けていくことで最大の効果を発揮します。決して単発で終わらないことが肝要です。

社内システムは現代ビジネスと非常に深いかかわりを持っています。今後は、社内システムの改善無くして厳しいビジネス世界を生き抜いていくことは不可能でしょう。この機会に、皆さんも社内システム改善に取り組んでみてはいかがでしょうか?社内システムの状況を完全に見える化するSysTrackをぜひご検討ください。

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