皆さんの身の回りで、「リモートワーク」や「テレワーク」、あるいは「在宅勤務」といった、「オフィス以外の場所で働くこと」を意味する言葉が飛び交っていないでしょうか?日本では今、働き方改革の動向に注目が集まっていますし、世界的に見て日本は労働生産性が低いという問題提起から、多様な働き方を推進するためのこの様な言葉が広く使われています。

ところが、「リモートワーク」も「テレワーク」も「在宅勤務」もいったい何が違うのか?言葉の定義が曖昧過ぎて、会話がままならないこともあるでしょう。

ここでは、そんな言葉の違いについて解説しています。実は、オフィス外で働くことの歴史からひも解いていくと、ちょっとした違いに気づくことができます。

リモートワークとテレワーク、ほとんど違いはない

いきなり核心を突く話になりますが、リモートワークとテレワーク、2つの言葉にはほとんど違いがありません。といっても驚くことではありませんね。大半の方が、そのことに薄々気づいていたはずです。

「用途の違い」という観点から見れば、リモートワークはIT企業やベンチャー企業がよく使い、テレワークは国や大企業がよく傾向があります。ただし、このような説明では納得いかないのも当然なので、それぞれの細かい定義について確認していきましょう。

リモートワークは「離れた場所でする仕事」

「リモート(Remote)」という言葉は、「遠隔」という意味を持ちます。日本語では「リモートコントローラー」のように、何かと組みあわえて「遠隔の〇〇」という使い方をします。加えて、リモートはコンピューター分野において、ネットワークを介して本体機器に接続する状態を指します(リモート接続など)。

そこから、「離れた場所でする仕事」という意味のリモートワークが生まれています。そして、リモートという言葉がコンピューター分野で馴染み深いこともあり、IT業界やベンチャー企業の中で「離れた場所でする仕事」ことをリモートワークと呼ぶようになります。

また、「フルリモートワーク(フルリモート)」という言葉もよく使われています。これは「完全なリモートワーク」を意味し、完全に出社せずに仕事をする働き方を指しています。たとえば「週5日フルリモート」という場合は、週に5日間オフィスに出社せずに仕事をすることになります。

テレワークは特定の働き方を指す

日本国内におけるテレワークの推進や普及活動などを手掛けている日本テレワーク協会は、テレワークを以下のように定義しています。

「情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」

引用:日本テレワーク協会『テレワークとは』

さらに、テレワークは「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス」の3つの働きかを指して言います。

在宅勤務

自宅に備えられているインターネット環境からICT(主にクラウドサービス)に接続し、オフィス内の社員や同じ在宅勤務者とコミュニケーションを取りながら業務を遂行します。

モバイルワーク

顧客先に駐在して仕事をしたり、移動中にパソコンやスマートフォンを活用したりしてオフィス外で働くスタイルです。

サテライトオフィス

勤務先以外のオフィススペースで、パソコンなどの機器を利用して業務を遂行します。サテライト(衛星)のようにオフィスを設置していることから名づけられています。都市企業では郊外や地方にオフィスを設置するケースが多く、地方企業は都市部にオフィスを設置するケースが多くなります。

実は、テレワークの前身はサテライトオフィスです。1980年代バブル景気にあった日本では、現代以上に通勤問題に悩まされる社員が多く、本社オフィスと同等の設備を搭載したオフィスが、ベッドタウンなど社員が集中している地域にあれば、通勤にかかる苦労を緩和できるのではないかという考えから、サテライトオフィスというものが設置されました。

そのために設立されたのが日本サテライトオフィス協会であり、後の日本ネットワーク協会です。インターネット環境が整備されてきた2000年に今の名称に改め、テレワークに関するコンサルティングや国の普及/啓発施策への協力などを中心に活動しています。

ここまでの内容を要約すると、リモートワークは「働き方にかかわらず、オフィス外で働くこと」を指し、テレワークは「在宅勤務/モバイルワーク/サテライトオフィスの3つの働き方の総称」ということになります。

これが、リモートワークとテレワークの違いです。

在宅勤務とは?

すでに答えは出ているようなものですが、在宅勤務は文字通り「自宅で仕事をすること」を意味します。テレワークの一種であり、リモートワークも在宅勤務を内包した言葉です。ただし、自宅で仕事をするだけでなく、場合によっては最寄りのカフェなどに足を運んで仕事をすることもあります。

リモートワーク/テレワークはなぜ注目されているのか?

ここからは、日本国内においてリモートワーク/テレワークが注目されている理由についてご紹介します。

1.リモートワーク/テレワーク助成制度が増えている

国や地域では、リモートワーク/テレワークを推進するための助成制度を充実させています。そもそも、なぜ国がリモートワーク/テレワークを推進しているかというと、「一億総活躍社会」に向けた柱である働き方改革の一環として、「老若男女、障がいを持つ人からそうでない人まで、誰もが活躍でき、人口減少や労働力不足を解消した社会」に向けた施策と位置づけているからです。
リモートワーク/テレワーク導入を前提としたIT投資助成金やコンサルティングなどなど、国や地域の助成制度を上手く活用することで、スムーズにリモートワーク/テレワークを導入できる環境が整えられています。

2.他分野でリモートワーク/テレワークの成功事例がある

現在、リモートワーク/テレワークを導入した成功事例はIT企業に限ったものではありません。製造業、食品業など多種多様な業界においてリモートワーク/テレワークを導入した事例が生まれており、それらの成功事例がからノウハウも明らかになってきています。

3.オフィス出社の必要性が低いビジネスが存在する

ビジネスの中には、必ずしもオフィス出社の必要はないものがあります。従来は「オフィスに出社して仕事をする」ことが当たり前と考えられてきましたが、そうした認識も徐々に薄れ、リモートワーク/テレワークに移行できるビジネスが移行することで、人件費削減や生産性向上効果だけでなく優秀な人材の確保ができると考えられています。

今回は、リモートワークとテレワークについてご紹介しました。もし自社はまだこれからという場合には、この機会に導入を検討されてはいかがでしょうか?

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