最近のニュースを見ていて気になっていることですが、以下のようなサービスをHPが発表しました。

PCをサービスとして提供する「HP Device as a Service」を発表外部リンク

PCをサブスクリプションベースで買いつつ、ライフサイクル管理やヘルプデスクなどのサービスも付けて運用まで引き受けるようなサービスではないかと思います。
同様のサービスはDell や Lenovo でも確認できますが、これらも同種のサービスと考えてよいのではないかと思います。
(日本のサイトが確認できなかったのでUSのサイトから引用します。 )

PC as a Service (PCaaS) (外部リンク
Lenovo Device as a Service (DaaS) (外部リンク

Dell の方は AirWatch/Workspace ONEなど VMwareのソリューションと連携するようなものも確認できますね。

なぜこのようなサービスがPCベンダーから一斉に立ち上がってきたのでしょうか。

これらは PCをリースで買って月払いにするのともPC管理をアウトソーシング部隊が行うのとも明確に違う流れなのですが、いくつかの背景があるのではないかと考えています。

この部分はSysTrackの提唱する「Workspace Analytics」が注目されている話とも関係があるのではないかと思うので、私なりに考えていることをまとめてみます。

先に結論から言うと、私はMicrosoft がWindows 10に掲げたコンセプトが大きく影響しているのではないかと考えています。

Windows 10 のクラウド型管理

Windows 10では従来型の管理に加えてクラウド型の管理(モバイル型と言ってもいいと思います)を提唱しています。

MDM方式と言ってしまってもよいですが、もう少し分かりやすく表現するなら「ドメインに入らずともPCを管理するような方式」とも言えるのではないかと思います。

つまりこれまでのPC管理はドメインと言うお客様資産に組み入れて行うものであったので外部サービスで管理することは難しい側面がありました。

これらが SaaS のようなMDM基盤から管理できるようになることによって外部のサービス業者がサービスとして管理することもある程度可能になってきたのではないでしょうか。

前述したサービスはこれからPCを購入されるお客様向けのサービスであることを考えると、おそらくWindows 10デバイスが前提になっていてクラウド型の管理を行う前提で運用していくのではないかと思います。

PCのライフサイクル管理の負担増

よく言われている通り、Windows 10 は年に2回の大型アップデートがあるため、これに伴うOSアップデートの配信・アプリケーションの改修と配信は大きな負担に感じているエンタープライズはまだ多くあるのではないかと思います。

アプリ側の対応はともかくとして、早い頻度で大規模なイメージ展開やアプリ配信を行うこと自体に大きな負担を感じているユーザーがサービスとしてPCライフサイクル管理を引き受けてくれるのであれば頼ってみたい、と思うユーザーが増えているのではないでしょうか。

機種別・部署別のマスターからカタログ管理型へ

多くの企業のPCは機種別・部署別のマスターを管理し、それらを定期的に更新してキッティング時に更新されたアプリケーションを使えるようにして、ソフトウェア配布による更新は最低限に抑える、と言う運用が多かったのではないかと思います。

これは当たり前だと思っている方も多いと思いますが、スマートフォンを使うようになった時にはどのようにしているのでしょうか?

AndroidのNexus用のマスターとiOSのマスターを会社毎に作っていると言う話は聞いたことが無いのではないかと思います。

多くの場合は何らかのMDMソリューションなどを使って、デバイス登録をしたら各種プロファイルなどを適用して、場合によっては必要なアプリケーションがカタログから導入されてセットアップされていることが多いのではないかと思います。

このようにデバイスを登録して必要な設定とアプリケーションだけをカタログから導入してセットアップするような方式はデバイスオンボーディングと言われますが、PC管理がモバイル化するということは、デバイスをマスターイメージからキッティングする方式からデバイスオンボーディング型の方式にPC管理は変わろうとしていることを意味しています。

まだ早い?

これはあくまで私の肌感覚になってしまうのですが、さすがに現時点ではこれまでPC管理をドメインで行っていた大規模ユーザーのお客様がWindows 10に移行していっきにモバイル型の管理に変えていった、と言う話はあまり聞いたことがありません。

Microsoftは Windows 10でも従来型の管理をすることを禁止はしていないですし、多くのユーザーは「まず Windows 10に移行してきっちり運用に乗せること」と言うのが至上命題になっており、「Windows 10らしい管理の仕方」はまだ先に捉えているのではないかと思います。

ただ間違いなくPC管理はモバイル型に向かおうとしています。DellやLenovo のPC管理サービスが海外サイトでしか確認できなかったことを考えるとこのような Transformationが USなどではもうすでに起こり始めているのかもしれません。どちらにしても「PC管理をサービス化したらコストが削減される」と言う話がある程度広く受け入れられてくると、IT部門としてこのような方式を無視することも難しくなってくるのではないかと思います。

PCがどのように使われているかはどんどん分かりにくくなっている

モバイル型のPC管理になっていくと、どのようなことが起こるでしょうか。
ひょっとしたらこのようなことが起こるかもしれません。

  • 社内ネットワークだけでなく社外のネットワークやWAN/3G回線などの利用も増えてくる
  • PCを5年間使うためには約10回の大型アップデート+アプリの改修に耐えなくてはいけない
    (または耐えられなくて買い替える必要があるかもしれない)
  • 自分でアプリを入れるような仕組みのため、シャドーIT の蔓延を防ぐための方策を考えないといけない
  • マスターで管理していたころと比べ、端末毎の差異が大きくなりアプリの導入状況などが一致していないことが増えてくる

各デバイス管理ソリューションやセキュリティソフトなどを活用して不正な利用や間違った設定はある程度防ぐことが出来るようになると思いますが、ユーザー環境がこのような多様性を持ってくることも避けられなくなっています。 スマートフォンを同時期に買って 使っている人でも快適に使っている人がいるかと思えば、すぐにバッテリーがなくなる人や再起動がしょっちゅうかかる人がいたりするのと似ているのではないかと思います。

SysTrack が出来ること

SysTrack はこのように分散・多様化した環境下にある端末の利用状況や問題を分析することを得意としています。
ユーザーが多様化した分端末側の問題で生産性を落とすことが無いようにこのような分析を行うことは重要です。

以下にSysTrack を活用して端末の分析を行う例を挙げてみます。

デジタル エクスペリエンス モニタリング

端末側での生産性を阻害する要因を SysTrackのHealth 分析の機能を通じて行うことが出来ます

端末の変更の把握・サービスの監視

重要な設定の変更やアプリケーションの導入を把握したり、ファイヤーウォールサービスやアンチウイルスソフトなどセキュリティ上停止してはいけないソフトウェアを停止してもすぐに起動することが出来るようにすることが出来ます

コンピュータパフォーマンスの管理

ユーザー毎・端末毎・アプリケーション毎のリソースの利用状況を確認してリソースの利用状況を確認することが出来ます

端末側で起こった問題の詳細な事後分析

ユーザーが問題を報告していた時間の詳細なリソース分析を行ってユーザー固有の問題を詳細に調べることが出来ます。

この機会に是非以下のホワイトペーパーなども読んでいただき、今後のPC管理について一度考えて頂けたらと思います。

参考情報

White Paper
SysTrackを使用したソフトウェア資産の分析
【IDG調査】ワークスペースアナリティクスを活用してエンドユーザーの生産性を向上:IT部門の意思決定者はワークスペースアナリティクスを重視
サービスデスクソリューション