リモートワーク導入にあたり、最初に直面する問題が「運用ルールの作り方」でしょう。オフィスに出勤して1日8時間以上勤務することが当たり前だと考えていたビジネスパーソンにとって、リモートワークには少なからず不安が生じます。その不安を解消し、リモートワークの利点を最大限引き出すためのポイントが運用ルール作りなのですが、リモートワークを経験したことがない会社では、そもそもどのような運用ルールが最適なのかの判断がつきません。

本記事でご紹介するのは、リモートワーク担当者必見の「運用ルールの作り方」です。リモートワーク導入において大切な運用はどのようにして作られるのでしょうか?

基本的な就業規則を決める

就業規則は事業規模や業種を問わず、全てのビジネスパーソンにとって働きやすい環境を整えるために欠かせない社内ルールです。リモートワークにおいても就業規則が必要であり、オフィスワークとは異なる環境において仕事の進め方や評価方法を明確に定めていきます。一般的な就業規則では次のような事項のルールを定めているので、そこにリモートワークの事項を加えておきましょう。

  1. 労働時間
  2. 賃金
  3. 退職
  4. 退職手当
  5. 臨時賃金
  6. 最低賃金
  7. 費用負担
  8. 安全衛生
  9. 職業訓練
  10. 災害補償
  11. 表彰・制裁
  12. その他
  13. リモートワーク(←新しく加える)

就業規則にリモートワーク項目を加える場合の注意点として、常時10名以上の従業員を使用する場合は所轄の労働基準監督署長に届けを出さなければいけない決まりになっています(労働基準法第89条)。加えて、就業規則は企業単位ではなく事業場単位で作成し、届けを出さなければならないことに注意が必要です。

では、具体的にリモートワークにどのような就業規則を定めるのがポイントなのでしょうか?

労働場所

一口にリモートワークと言っても働き方は多様であり、かつどこででも仕事をして良いわけではありません。そのため、リモートワーク時の労働場所を明確に示す必要があります。ちなみにリモートワークにおける働き方以下のように3つの分類があります。

在宅勤務

従業員の自宅で勤務する形態です。育児や介護、パートナーの転勤等によってオフィス出勤が難しくい場合、新型コロナウイルスなどにより外出自粛が要請されている際に有効です。

モバイルワーク

移動中の電車内やカフェなど多様な場所で働く形態です。外回りが多い営業職などで採用されるケースが多いでしょう。

サテライトオフィス

会社以外のオフィススペースで勤務する形態です。企業が専用オフィスを設ける他、シェアオフィスやコワーキングスペース等で働くこともあります。

労働時間

リモートワーク中の労働時間をカウントする方法や、在席確認を行う方法などを規定します。労働時間に関しては一般的に、原則8時間労働を定める場合とフレックスタイム制により従業員に裁量に任せる場合があります。

原則8時間労働

「8:00~17:00を原則労働時間(休憩1時間を含む)とし、勤務中の私用を極力控えること」と言った労働時間規定を設ける場合、従業員の在席管理が運用のポイントになります。一般的には勤怠管理システムによる打刻や、Web会議などを常時起動しておくことで在席確認とコミュニケーションを兼ねる方法があります。

社内オフィスとほとんど同じように労働するため、従業員のパフォーマンスを一定に保てるのがメリットです。ただし、在席確認しているからといって実際に働いているかの判断は難しいでしょう。

フレックスタイム制

フレックスタイム制は1日または一定期間の成果目標を明らかにした上で、目標達成のために必要な労働時間を従業員自身がコントロールする働き方です。そのため、労働時間を管理するよりも成果物でパフォーマンスを測定する成果主義への転換が必要になります。

フレックスタイム制は柔軟な働き方なので、育児や介護などに時間を割きながら仕事を進めることができ、ワークライフバランスを整えることに繋がります。一方で、個人の管理能力に依存するところが大きくなるため、従業員ごとに仕事のムラが発生しやすくなります。

人事評価

リモートワークはオフィス出勤のように管理職の目が行き届かなくなることから、人事評価に偏りが生じやすくなるためそれを防がなければいけません。また、同じ仕事をしていてもオフィス出勤者とリモートワーカーで格差が生じる可能性も高いため、不公平感を無くした人事評価が求められます。

ポイントは成果主義を採用しつつ、必ずしも売上に繋がる業務だけを成果としないことと言われています。特に経理などのバックオフィス系は間接業務がほとんどなので、売上といった明確な数値で評価できないのが難しいところです。そこで、「月初3日以内に前月の経理締めを行う」「対面が必要なミーティングの際は快諾して出社する」といったコミットを行い、それらの約束を守っていることを成果とする考え方もあります。

費用負担

オフィス以外で働くということは、これまで従業員が負担していなかった部分での費用が発生することが多くなります。例えばリモートワークに必要なデバイスや通信費用、電気代、プリントアウトのための印刷代などです。これらの費用を経費対象とするか、あるいは自己負担とするかは企業によって異なります。

リモートワークを導入することで従業員の通勤費が削減されるため、それを従業員の自己負担分に回すなどを検討しましょう。

安全衛生

労働時間中は会社が従業員の安全に配慮することが義務付けられており、リモートワークにおいても例外ではありません。リモートワーク時の健康管理については従業員に委ねるケースが多いため、会社として規定できることは多くないでしょう。ただし、怪我や病気にかかり、かつそれが業務を原因としていると認められる場合には労災が適用されるため、就業規則に盛り込んでおきましょう。

対象社員

全ての従業員がリモートワークを実施できるわけではないので、対象となる従業員の条件を具体的に定めておく必要があります。部署や業務内容、勤務している事業所など、できる限り理由を明瞭にしながら公平に対応できる規則を設けることがポイントです。

優れたITを導入しリモートワークを実現する

現代社会においてリモートワークを成功させるためには、ITの力が必要不可欠です。そして多くの企業がWeb会議システムなどを導入すればリモートワーク はできると考えがちですが、そうとも限りません。

重要なことはWeb会議システムやチャットシステムを導入することだけでなく、「リモートワークの企画」と「リモートワークのモニタリング」をしっかりと実践することです。

例えばSysTrackを活用すれば、ダッシュボード内でハードウェアおよびソフトウェアの構成、パフォーマンスならびに使用状況についての情報をユーザーのエンドポイントデバイスより収集しレポートで確認できます。このレポートから、どのユーザーが在宅業務の要件に適合しているかについて、またどの部分がさらなるサポートを必要としているかについて概説したレポートが作成されます。

また、リモートワーク移行後は、SysTrackを活用して従業員が生産性高く業務を遂行できているか、パフォーマンスを把握することができるようになります。オフィスでの業務とリモートワークで業務を比較することにより、アプリケーションのパフォーマンス、使用状況またはエンドユーザーのエクスペリエンスが影響を受けたかどうかについて把握することができます。さらに在宅勤務ユーザーがなにかしらの問題を抱えてサポートを必要としている場合、情報システム部門は、その当該システムの問題の根本原因を瞬時に探し出し、解決することも可能です。

今回、リモートワークの実現を早急に対応できるよう、無償でSysTrackのリモートワーク支援ソリューション提供しております。「リモートワーク プランニング」 と 「リモートワーク モニタリング」 のダッシュボードを活用するこができます。こちらもぜひご参考にご覧ください。

より良い運用ルールはリモートワークを続けながら改善する

以上のように、リモートワーク導入時は就業規則にリモートワーク規定を設け、様々な事項について明確なルールを定めることが大切です。しかし、それが実際のリモートワーク環境に適しているかは別の話です。リモートワーク担当者は、実際の活動を通じて何が適切で何が不適切なのか?を常に考えながら、より良い運用ルール作りに取り組む必要があります。最初から完璧な運用ルールなどあり得ないので、取り組みを通じて問題点や改善点を抽出し、より良い運用ルールを作るための気構えが必要になります。この機会にリモートワークを検討し、導入する際は本記事でご紹介したポイントに注意しながら適切な運用ルールを作っていきましょう。

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