先日SysTrack 10.0がリリースされました。SysTrack 10.0は基本的には 9.0.10 と同等の扱いでメジャーバージョンアップのような大きなアーキテクチャ変更があった訳ではないのですが、9.0.9に続いて比較的大きな機能更新が行われています。

10.0の機能更新でのキーワードは「Time To Value (TTV)」と「Ease of Use」です。すぐに価値が実感でき、簡単に使いこなせるようにするためにどのような機能増強を行っていくか、と言う方向性が10.0のアップデートでは示されています。本記事ではこの点が少しでも分かりやすく伝わるように重要なアップデートを紹介させて頂きます。

Prevent – AIOps からのリブランド

SysTrackはセンサーの分析画面を 8.4から「AIOps」と呼んでいました。これはSysTrackのセンサーではネットワーク・アプリケーション・インフラなど複数のデータソースから総合的に問題を判別する事からこのように呼んでいました。 ただし、マーケットで使われているAIOpsと少し乖離があるのではないか?と言う観点からより「SysTrackはセンサーによって何が出来るようになるのか?」と言う事を明確にするためのリブランディングが検討されていました。

このような経緯を経て、10.0からAIOps は「Prevent」と言う名前にリブランディングされました。SysTrackは独自の1300近いセンサーを使ってワークスペースの「未病」とも言える状態での問題をプロアクティブに検知し、大きな問題となる事を予防します。
ただし、「センサーによって多数の問題を検知した後にどう扱うのか?」と言う部分は比較的ユーザーに任せている部分がありました。

Prevent – Daily Issues ページからセンサーの優先順位付けを行う

AIOps から Prevent に変わって「Daily Issues」と言うページが追加されました。これは「センサーをどう活用して運用を改善していくのか?」と言う観点でのTTVを短くする第一歩として「プロアクティブな問題に対して Detect, Analyze, Remediation と言うフローをカバーするページを提供する」事を目指しています。

はじめにDaily Issuesを開くと表示されるセンサー分布図は多数のセンサーを優先度付けするための分析画面になります。
Daily Issuesページは以下のようにセンサーの発生状況が発生システム数毎(横軸)、緊急度毎(縦軸)の分布がプロットされます。

センサーの発生状況が発生システム数毎(横軸)、緊急度毎(縦軸)の分布がプロットされます

これだけだと分かりにくいのですが、これは以下のように右上のセンサーを優先的に対応するべきものとして自動的にトリアージする仕組みになっています。
(緊急度はセンサー毎にLakesideが自動的に決めているため、影響度が大きく緊急度が低い問題も同時に確認することを推奨します)

右上のセンサーを優先的に対応するべきものとして自動的にトリアージする仕組みになっています

この中から気になるセンサーをクリックするとセンサーの分析画面へ飛びます。
以下のように「Daily Issues」と言うのにふさわしい日次変化の分析画面が表示されます。
ここで重要なのは、ここでオートメーションやエンゲージメント、ユーザーへの通知などここから多彩な対応が行えることが出来るようになったことです。これにより、(1) センサーの優先度付け → (2) センサーの分析 → (3) センサーへの対応(Remediation)までが行えるようになりました。
なお、SysTrackでは自動化アクションも200以上のアクションをKitsから提供しています。
開発側もこれはTTV短縮化への第一歩である、ということは繰り返し強調しておりセンサーの使い勝手は今後のリリースでも改善していく予定です。

気になるセンサーをクリックするとセンサーの分析画面

Dashboard: Quick Build

ダッシュボードのカスタマイズ性の高さはSysTrackの昔からの強みの一つです。
ただ、難しいと言われることは多く、少なくとも日本では多くのユーザーがDashboard Builder を利用しているとはいいがたい状況で、必要なお客様にはLakesideやパートナー様の支援が必要なことが多いのが現状です。
10.0ではDashboard Builderの使い勝手を改善する 「Quick Build」と言う部品ベースのダッシュボード開発を支援する仕組みが提供されました。これは今後Dashboard Builderの敷居を下げて「Ease of Use」を実感できるようにしたいという方向性の中で行われる最初のアップデートになります。
「SQLを使った本格的なダッシュボードを作りたいユーザー」の一歩手前のユーザーがカスタムダッシュボードに触れられるようにしたいという思いが込められています。 

それではQuick Buildの詳細を見ていきます。Dashboard Builderを開くと左下に以下のような「ライブラリ」の部品が表示されます。これは Lakesideが提供していたダッシュボードの一部を部品化したものです。

Quick Buildの詳細

これらはドラッグ&ドロップするだけですぐに使えるダッシュボード部品です。
例えば、ここで「Top 5 Health Impacts」と「Digital Experience Impacts」と「System Helath by Hardeware」と言う部品をドラッグしてみます。

「Top 5 Health Impacts」と「Digital Experience Impacts」と「System Helath by Hardeware」と言う部品をドラッグ

この状態でプレビューをして、レイアウトを整えるだけで以下のようなダッシュボードが出来ます。
色々な要望がある方はこれだけでは物足りないのですが、基盤全体のサマリーやKPIだけを表示するようなダッシュボードを作るときにはまると非常に効率よく作ることが出来ます。また上級者は中身のクエリーをカスタマイズして自分向けにカスタマイズすることも可能です。
※「Digital Experience Impacts」と言う部品についてあまり知らない方も多いかと思いますが、これは特定のセンサーの発生数をカテゴライズしてどのような問題が起こっているかをカテゴライズして発生状況を分析しているものです。

レイアウトを整えたダッシュボード

他にも10.0のアップデートはまだあるのですが、まずはPreventやQuick BuildでTTVの短縮と使いやすさの向上を目指していくSysTrackの今後の方向性を感じてください。

参考
(英文) Democratizing Proactive IT with Digital Experience Cloud 10.0 and Prevent
(動画) Prevent デモ動画