本稿からは少しずつ SysTrackの使い方のようなものを紹介する記事を書いていきたいと思います。
まず始めはデスクトップのアセスメントなどでも使用されることが多い Visualizer についての紹介を行います。

今回はVisualizerの概要について紹介した後、Visualizerの中でも一番始めに確認されることが多い「Enterprise」モジュールのダッシュボードページについて紹介します。

目次

  1. Visualizerを触ってみよう Part 1 (Enterprise – ダッシュボード)
  2. Visualizerを触ってみよう Part 2 (Desktop – ダッシュボード)
  3. Visualizerを触ってみよう Part 3 (Enterprise - Observations)
  4. Visualizerを触ってみよう Part 4 (Desktop – Observations)

Visualizerとは?

Visualizer とは端末で収集した情報を分析し、デスクトップや端末の利用状況や問題について客観的な指標となるような情報を提供することを目的としています。
ただ、分析対象の情報は多岐に渡るので興味がある方は実際にこの記事などにしたがって是非一度ご確認頂けたらと思います。

Visualizer を開くには

Visualizer を開くにはSysTrackのトップページ(Launchページ)からVisualizerを選択します。

ブックマークなどからアクセスする場合には以下のようなURL形式で直接アクセスすることが出来ます。

Launchページ: <Server>/Launch
Visualizer ページ: <Server>/Visualizer

Visualizerのナビゲーションを理解する

Visualizerページを開くと、上部に「Desktop」、「Enterprise」、「Server」、「Virtual Infrastructure」、「Persona」などのタブがエージェントから取得している情報に応じて表示されます。

例えばデスクトップOSしかエージェントが存在しない場合には 「Server」タブは表示されません。
Hyper-V連携やvCenter連携の設定を行っていない場合には「Virtual Infrastructure」タブも表示されません。
この上部のタブのことをVisualizerでは「モジュール」と呼びます。 Visualizerではこのモジュールと言う単位が最も大きな分析の視点となっています。

左側のペインは「Dashboard」、「Observations」、「Analysis」、「Reporting」で構成されます。

各モジュールでの分析メニュー

各モジュールにはそれぞれのデータに応じた分析メニューがあります。ここから分析したい切り口に応じて切り替えていきます。

Dashboard: それぞれのモジュールで重要な指標をまとめて表示し、総合的な視点で評価するダッシュボード形式の分析データ表示
Observation: 目的に合わせた視点でデータを分析・表示するためのメニュー
Analysis: 「CPU使用率」や「メモリ使用率」のようにSysTrackで取得しているメトリックを直接グラフ表示するためのUI
※ これらのグラフ表示はチャイルドにアクセスしながら行います
Reporting: SSRS(SQL Server Reporting Service)形式のレポートで分析結果のレポートを表示するためのメニュー

Enterprise モジュールとは

EnterpriseモジュールではDesktop/Serverなどエージェント OSの種類に関わらずすべてのエージェントで取得されているデータについて分析を行うためのものです。
したがって、DesktopモジュールやServerモジュールと分析の視点は非常に似ており一緒に使われることが多いものです。

ここでは全エージェントのデータからIT環境全体のハイレベルサマリーと言える情報を提供し、お客様のコンピューティング環境の全体像を見せることを目的としています。

このためEnterpriseモジュールでは分析した情報をグルーピングに応じて表示する事は出来ません。

Enterprise ダッシュボード

Enterprise ダッシュボードでは以前のブログ記事で紹介したヘルススコアの分析情報などを元に基盤全体の健全性や利用状況を確認できます。

(1) User Experience Summary

User Experience Summary ペインではヘルススコアリングを通じてユーザーのIT生産性がどのくらい影響を受けていたのかを表示します。

以下の画面ショットでは「90.47」と言うスコアが表示されていますが、ユーザーのアクティブなデスクトップ利用時間のうち10%程度は何らかのシステム影響を受けながら作業をしていたことを意味しています。(CPUやメモリの高負荷、ディスクビジー、CPU Readyなど)

ここで、Excellent、Good、Fair、Poorなどのユーザー群の割合が表示されていますが、これは単純にスコアが以下のような範囲にあるユーザーの割合を示しています。

デフォルトでは以下のように定義され、SysTrack Deployツールの「Global Configuration Items」よりこの値は変更可能です。

Excellent: 97%以上
Good: 90-97%
Fair: 80-90%
Poor: 80%以下

またデフォルトでは30日単位での分析を行いますが、プルダウンメニューから分析期間を「5日間」、「30日間」、「90日間」、「1年」、「3年」のように変更することが出来ます。
※ 蛇足になりますが、Healthで考慮する13の項目も特定の項目を対象外としたい場合には、Global Configuration Itemsから除外することが出来ます。

2) User Experience Trend

このペインではヘルススコアの日次のデータ推移を表示することが出来ます。

User Experience Trend ペイン

右側のプルダウンからは以下のようにヘルススコアの各項目の時間推移を分析することが出来ます。
(期間が30日以内の場合のみ)

このときCPUなどの各項目のグラフで表示される単位がどのようなものか不思議に思われるかもしれませんが、これらはすべて影響を受けた時間を表すので「分」になります。
たとえば5月10日のCPUが30だったとしたら、1デスクトップ平均で、5月10日は30分のCPU影響があったことを示しています。
(同時に起こっていた場合にはこの値は按分されます。たとえばある時間帯にCPUとメモリの問題が5分間発生していた場合、Health Scoreに使用されるQuality Timeは5分減少しますが、CPU Minutes とMemory Minutesは2.5分ずつ加算されていきます)

また長期間の傾向を分析する際などに、日次平均で見ると変動が大きすぎて傾向が分かりにくく感じる場合には左側のプルダウンメニューから「Daily Average」を「Moving Average」にすることによって移動平均による表示に切り替えることも出来ます。(分析期間を30日より長くすると自動的に移動平均に切り替わります)

(3) Top User Experience Impacts

「Current Top 5 User Experience Impacts」ではヘルススコアリングの13の項目のうち寄与の大きかったもののTop 5を表示するものです。
(それ以外の項目はOtherにまとめられます)

ここは常に30日間での分析結果が表示されますが、ここから現在の基盤で生産性に最も影響を与える要素が何なのかを確認することが出来ます。

以下の例ではLatency が一番寄与の大きな項目として表示されていますが、例えばVDI環境などではクライアントから仮想デスクトップへの接続で遅延が大きい場合や、Exchangeなどのアプリケーションサーバーへの遅延が大きい場合などはこの値が大きくなります。

これらの内訳が気になる場合には ナビゲートメニューからAnalysis のページに行って「Latency」カテゴリのメトリックを出力して確認します。

Current Top 5 User Experience Impactsペイン

(4) Trending Analysis

Trending Analysis ペインと Trending Details For Selected Categoryペインはセットで使用して傾向分析を行うためのものです。
Trending Analysis ペインではユーザー数やFault(クラッシュ/ハング数)などの最新値が一覧で表示されています。
ここで特定のカテゴリを選択すると、選択期間(User Experience Summaryで指定した期間)の間に選択したメトリックがどのように推移したのかを確認することが出来ます。
ユーザー数、アプリの起動時間の平均、未使用のマシン、ソフトウェア数などの指標値が期間中にどのように推移していったのかを確認して現在のIT基盤の利用状況を把握することが出来ます。

(5)Concurrent Users (同時アクセスユーザー数)

Concurrent Users ペインは一週間の間の同時アクセスユーザー数を分析するために使用するもので、特にVDIのような環境で有用です。
こちらは最新30日間のセッションの利用状況を表示しているのですが、横軸の日付の並び方が日付順ではなく曜日を軸にしていることに気を付けてください。

たとえば上のグラフで「Sun 13」のように表示されている部分は「日曜日の13時」を意味しているのですが、30日分のデータを1時間単位で曜日ごとに集計したものです。
例えば30日間の期間中、6/4(月)、6/11(月)、6/18(月)、6/25(月) と言う期間があったときにそれぞれの13時の同時アクセスユーザー数(ピーク)を確認することが出来ます。

VDI環境では常時切断しているセッションなどが多い場合にはインフラリソースの効率的な利用を妨げる事になるので「切断ユーザー数だけを確認したい」と言う場合もあります。
このような場合には、グラフの「Disc. Users」(Disconnected Users:切断ユーザー)以外の項目をクリックすると他の項目の表示を消して切断ユーザー数だけを表示することが出来ます。

(6) ダッシュボードのデータのエクスポート

ダッシュボードの各ペインに右上には「↓」のようなマークがあります。このマークをクリックするとデータがXML形式でエクスポートされ、Excelなどで表示・加工ができるようになります。
SysTrackのデータを特定フォーマットなどで表示したい場合などに活用ください。

(補足)日次のHealth Impactの分析

今回のようにVisualizerを使用して Health値を分析していくと、日次やシステムなどの単位で「Top 5 User Experience Impacts」を分析する必要が出てくることがあります。
このような分析には専用のDashboard ツールをSysTrack Kit よりダウンロードしておくと便利です。

以下の Environmental Health Trend ダッシュボードではHealth値のDaily Trend が表示されていますが、各日次のデータをクリックすると、選択したの「Top 5 Health Issues」が下のペインに表示され、システム毎のデータも確認することが出来ます。

Environmental Health Trend ダッシュボード

※ Environmental Health DashboardはVMware Horizon Management Kitに含まれていますが他の環境でも使用することが出来ます。
 クラウド版のアセスメント環境では「Health Dashboard v4」のような名前のダッシュボードでも同様の機能を提供しています。
 このダッシュボードだけをインポートしたい方はこちらからダウンロードしてください(参考)リンクのアクセスには Lakeside Portalへのアカウントが必要になります。

次回は Visualizerの Observations で使用される各データについて解説を行いたいと思います。

参考情報

ユーザーガイド(英語)
SysTrack Visualizers User Guide

デモサイト
SysTrack Demo アカウントリクエストページ
VMware Desktop Assessment
SysTrack Cloud Edition For Citrix
SysTrack Cloud Edition For NVIDIA

Lakeside Portal
オンライントレーニング(英語)
SysTrack Visualizer - Enterprise and Desktop Modules (v8.3)

Webinar(録画版)
SysTrack Visualizer (v8.3)