ここ数年、「働き方改革」は多くの企業にとっての至上命題であり、残業廃止やフレックスタイム制、テレワークなどさまざまな取り組みが実施されています。しかしながら、働き方改革を本質的に実施するための「業務の見える化」に取り組んでいる企業は、少ないように感じます。

企業の労働生産性が下がる原因の多くは「仕事のブラックボックス化(属人化)」です。仕事のやり方や手順、必要とする情報や書類などについて詳しく知っている人材が限られていると、業務効率が低下します。それに伴い労働生産性も下がり、最終的には企業の利益率が下がっていくことになります。

ちなみに労働生産性とは「時間やコストあたりに生じる付加価値」を指します。時間あたりの労働生産性で言えば、「従業員1人が1時間あたりに生む付加価値」のことです。要するに労働生産性が高い企業ほど、利益率が高く、資金繰りが良くなりキャッシュフローが円滑であることを示します。

余談ですが、日本の労働生産性は世界から見てかなり低い傾向にあります。OECD(経済協力開発機構)から毎年発表されている労働生産性の世界ランキング(時間当たりの労働生産性)では、主要先進7ヵ国においては1970年以降最下位となっています。OECD加盟36カ国中20位と、長年低い水準です。
出典:公益財団法人日本生産性本部「労働生産性 国際比較」 

本稿では、そんな労働生産性を向上し、働き方改革を実現するための「見える化」について解説します。

多くの働き方改革施策が上手くいかない理由

「働き方改革」と称して、現在さまざまな取り組みが実施されています。近年特に注目されているのがテレワークでしょう。これは、会社オフィスでの勤務にとどまらず、在宅勤務やカフェなどでの仕事遂行、移動中のモバイルワーク、会社オフィス近郊または地方に別のオフィスを設置するサテライトオフィスなどを指します。

テレワークを導入したことで労働生産性が向上したという事例も多数できてており、総務省でも多種多様な人材活用に向けたテレワークの導入を推進しているため、導入検討されている方も多いでしょう。

しかし、実際はテレワークを導入した企業でも失敗に至るケースが散見されます。その最大の理由は、従業員の業務とシステム利用を正確に把握できていない、見えていないことが原因と考えられます。では、「見える化」するとは具体的に何を指すのか?以下にまとめてみました。

« 業務プロセスの「見える化」

  1. 業務プロセス全体のフロー
  2. 各業務プロセスにおける作業手順
  3. 業務プロセスの担当者
  4. 作業ごとの担当者
  5. 作業ごとに必要なツール
  6. 作業ごとに必要な書類
  7. 作業ごとに必要な情報
  8. 作業ごとに出力される情報
  9. 作業の承認者
  10. 書類の承認者
  11. レポートを参照する担当者

« 情報の「見える化」

  1. 作業にあたる従業員の情報
  2. 作業にかけている時間
  3. 作業の評価
  4. 総合的な労働時間
  5. 従業員ごとに管理している顧客情報
  6. 従業員ごとに管理しているタスク進捗
  7. 商品やサービスに関する特別な情報
  8. 作業に必要なシステムやツールの状態
  9. 従業員ごとのセキュリティ実施状況

いかがでしょうか?
一口に「見える化」といってもさまざまなものがあります。これらのうち、自社が取り組んでいるテレワークなどの働き方改革に応じて必要なものを見えるようにすることで、取り組みを円滑に進めることができます。

「見える化」のメリット

では、働き方改革において「見える化」を実施することにより、どういったメリットが得られるのでしょうか?

メリット1:作業の標準化
業務フローや作業手順を「見える化」することで、特定の人材に依存していた仕事を標準化することができます。要するに、「誰もが同じように仕事ができる環境」を整えることで、人材依存におけるリスクを軽減し、業務遂行率を高められるということです。これは働き方改革でなくても日常的にとても大切なことなので、ぜひ実施してみましょう。

メリット 2: タスク進捗の把握
テレワークなど人材同士が離れた場所で仕事をするケースでは、各人材のタスク進捗がしっかりと把握されていることが大切です。互いのタスク進捗を確認しつつ、フォローし合うために共通のタスク管理ツール等が必要になります。

メリット 3: 無駄な業務の排除
日常的に行われている業務の中には、本来は必要としてない無駄な業務があります。特に伝統的・習慣的に実行されている業務にそうした無駄が発生しやすいので無駄を無くすためにも「見える化」が欠かせません。伝統・習慣に囚われず、ビジネスに必要な業務だけをシンプルに行うために、無駄な業務を排除するというちょっとした勇気も必要です。

メリット 4:  ワークフローの最適化
業務の遂行率を上げたりスムーズに仕事を行ったりするためにはワークフローの改善が欠かせません。特にテレワークなど従業員同士が離れている場合、電子的にワークフローを回すための取り組みが必要になります。見積書や請求書など、ビジネスに重要な書類のワークフローを最適化することで、提出スピードが上がり、顧客満足度も向上します。

メリット 5:  労働時間管理
フレックスタイム制やテレワークなど、多様な働き方を提案するような取り組みの場合は正確に労働時間を管理することが求められます。特にオフィスで仕事をしない場合は、従業員が実質的にどれくらい労働しているのかを正確に把握しないと、労基法に抵触する可能性があります。

メリット 6:  適切な人事評価
人材がこなしている仕事やタスク、その結果について「見える化」を実施することによって適切な人事評価が行いやすくなります。働き方改革を実施するということは、少なからずこれまで人事評価制度を変える必要があるため、適切な人事評価のためにも「見える化」を実施しましょう。

メリット 7:  顧客情報の統合
多くの企業では、営業担当者ごとに顧客情報がブラックボックス化しています。そのため、組織として顧客情報を蓄積し、それを経営に活かすことができません。顧客情報の入力先をCRM(Customer Relationship Management)などのシステムに転換し、顧客情報を資産として蓄積し「見える化」できるようにします。

メリット 8:  セキュリティ強化
コンプライアンスの遵守が叫ばれている昨今、セキュリティ強化のためにも「見える化」がとても重要です。従業員や組織ごとに実施されているセキュリティ状況を「見える化」したり、従業員のセキュリティ意識を「見える化」することによって、組織の情報や機密書類を守ることに繋がります。

まずは「見える化」から始めてみよう!

現状として「見える化」に取り組んでいない企業では、働き方改革を掲げずともさまざまな「見える化」を実施するだけで、高い業務効率化効果を得ることができます。もちろん大切なのは「見える化」したその先、業務プロセスや環境をどう改善していくか?を考えることです。働き方改革の一歩として、いきなり高度な取り組みを実施するのではなく、まずは「見える化」から取り組んでみてはいかがでしょうか?先ずは、SysTrackのシステム見える化を評価版でご評価いただけると嬉しいです。

「働き方の見える化」にご興味がありましたこちらまでお問い合わせください

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