多くのユーザーに愛されたWidows 7の延長サポートが2020年1月14日に終了するということで、Windows 10への移行計画を立てている企業は多いでしょう。Net Market の情報によれば、2018年12月にWindows 10のシェアがようやくWindows 7のシェアを超え、OS市場全体で見ると約40%のシェアを獲得しています。Windows 10リリースから3年半の出来事でした。
出典:Operating System Share by Version

しかし状況的に、各企業の新OSへの適用が順調に進んでいるとは言えません。企業規模が大きくなればなるほど新OSへの以降は骨の折れる作業になります。多くの企業では限られたIT人材の中で1年以上かけて自社保有PCのライフサイクルを考慮しながら新OSへのアップグレードに伴う動作検証などを行います。その後、移行計画にそってバージョンアップを行うのです。

これらの作業を行わないと過去のWindowsが塩漬けとなりセキュリティリスクが大幅に高まるだけでなく生産性の低下が懸念されます。Windows 7の延長サポート終了まで1年を切った今、IT人材が少ない/いないという理由では通用しないところまで来ていると言ってよいでしょう。そこで本稿では、Windows 10に移行することでWindows 7の運用と一体何が変わるのかを解説していき、Windows 10移行への判断材料としていただきたいと思います。 

Windows 10の「WaaS」を理解する

Windows 10の運用について説明するにあたり、欠かせない概念が「WaaS(Windows as a Service)」です。これはWindows 10を継続的にアップデートしていくことで、新機能や新デザインを常時提供し、常に最新のOSが使用できる環境を整えるというものです。つまりWindows 10は事実上、最後のメジャーアップデートとなりました。
 
通常ならば新しいWindowsバージョンが登場したら、サポート期間内にアッグレードするか、OSを買い替えるかという選択肢を取る必要がありました。Windows 10ではそうしたサイクルが終了し、Windows自身がどんどん進化して新しい機能を提供するようになります。
WaaSについては、「WaaSって何?その概要から知っておきたいポイントまで」のブログでご紹介しています。

Windows 10で変わる運用とは?

Windows 10およびWaaSが運用面で従来のWindowsと大きく変わる点がサポートの提供方法です。従来のWindowsではOSに新しいデザインや機能を追加するために、メジャーアップデートに加えて数年単位でサービスパック(SP)を提供していました。

たとえばWindows 7がリリースされたのは2009年8月であり、その後2011年2月にWindows 7 SP1がリリースされています。従って現行としてWindows 7が稼働している環境では、厳密に言うとWindows 7 SP1が稼働していることになります(Windows 7のサポートは2013年4月に終了しているため)。

これがWindows 10になってどう変わるかというと、数年単位でリリースされていたサービスパックが年2回に変更され、さらにサポートサイクルが18カ月に短縮されます。この年2回の更新プログラムにそれぞれ18カ月のサポート期間が用意される提供形態をSAC(Semi-Annual-Channel)と呼びます。

もう1つの提供形態がLTSC(Long-Term Servicing Channel)です。これは通常18カ月のサポートサイクルを10年間に延長したり、長期的なサポートが受けられたりする大企業向けの提供形態ですが、いくつかの制約があり適用が難しいことから、多くの企業はSACで更新プログラムを受けることになります。

この変化から、企業は少なくとも6ヵ月のサイクルで更新プログラムが自動で適用されるため現行のPC環境にどのような影響を与えるのかを短いサイクルで検証する必要があります。
そのため多くの企業ではWindows 7の運用から検証周期が短くなるため、運用負担が増すのではないかと懸念されていることも事実です。これが、日本企業におけるWindows 10への移行に足踏みしてしまう原因でもあります。

Windows 10運用の利点とは?

確かに、Windows 10へ移行することで更新プログラムが短期的にリリースされるため、検証周期がWindows 7よりも短縮されます。しかし、Windows 10へ移行することで運用面に生じる利点もあります。それが「ネットワーク経由で更新プログラムを適用できる」という点です。

従来のWindowsではサービスパックがリリースされると、インストールメディア等を用意し、場合によってはPC内のデータやアプリケーションをいったん避難させて、クリーンインストールを実施し、データやアプリケーションをもとに戻すという大変面倒な作業が必要でした。そのため数年に1回とはいえ大規模な移行計画とプロジェクトを必要としていたのです。

一方Windows 10はWaaSの概念に従って、ネットワーク経由で更新プログラムが自動適用されるので、企業側としてはPCをネットワークに接続し、タイミングを見て更新プログラムを実行するだけで完了します。これはセキュリティ面などから鑑みてもWindows 10運用の大きな利点です。

この点を考慮すると、多くの企業ではWindows 7の運用を継続するよりも、Windows 10の方が大きなメリットを享受できると言えるでしょう。

Windows 10へ移行するその他の利点

Windows 10へ移行する利点は運用面だけではなく、機能面でも大きな利点があります。ここではその一部をご紹介します。 

Cortana(コルタナ)
CortanaはMicrosoftが提供する音声アシスタント機能です。Windows 10がリリースされてから間もなく日本語バージョンもリリースされ、現在ではビジネスシーンでも色々とサポートしてくれる機能となっています。

UWP-App(Universal Windows Platform – Application)
Windows 10で利用するアプリケーションの一部にはUWP -Appというコンセプトが組み込まれており、タブレットやスマートフォンでも同じ環境を採用した初のOSです。そのため、Windows 10を搭載しているデバイスはその種類にかかわらず同じアプリケーションを利用することができます。

Continuum(コンティニューム)
Windows 10は接続するディスプレイに応じて、自動的にサイズを調整します。そのためタブレットを大型ディスプレイに接続した際には、画面が最適化されますしキーボードがあればパソコンのようにも使用できます。多様な使用方法を持つことで、その場でプレゼンを始める等のビジネスも可能です。

ただし、企業はWindows 10に移行すると何が起きるのかを把握する必要があることは従来通り変わりありません。もちろん自動で適用される更新プログラムにおいても同様です。
ブログ「Windows 7からWindows 10へ移行すべき10の理由」もあわせてご覧ください。

レイクサイドが提供するSysTrackでは、企業内のWindowsの展開状況を可視化します。最新ビルド適用後の影響(アップデードの前後で性能比較)を分析することも可能になります。また、問題がおきているクライアントPCを即座に把握することも可能でsy。サイクルが短くなるWaaS時代に人手をかけないWindowsの運用を検討している企業は是非SysTrackをご検討ください。

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