「アプリケーションパフォーマンス管理(APM)」というソリューションをご存知でしょうか?これは、従来のようにアプリケーションやネットワークを個別に監視するのではなく、ユーザー視点でパフォーマンスを監視することによってエクスペリエンス(体験)を向上させるためのものです。

現在、IT環境は様々な変革を迎えています。クラウドコンピューティングの台頭によってシステム環境はさらに複雑になり、技術発展によるカスタマイズされたサービスの提供、IoTデバイスの普及によるデータ量の劇的増加、最近ではAI(人工知能)やRPA(Robotic Process Automation)による業務自動化が注目されています。

ITを駆使したシステム環境や業務が複雑化を極める中、ユーザーは期待するパフォーマンスを手に入れられているのか?というと、必ずしもそうではありません。新しい技術を取り入れることばかりに注力し、アプリケーションパフォーマンスへ意識を向けていないという企業が少なくないのが現実です。

そこで今回は、ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上するためのIT知識としてアプリケーションパフォーマンス管理についてご紹介します。

アプリケーションパフォーマンス管理とは?

アプリケーションパフォーマンスを監視しUXを向上するためにアプリケーションやネットワークを最適化する、という取り組みは従来からあります。しかしその取り組みはまるで「 パッチワーク(つぎはぎの布)」のようなもので、アプリケーションやネットワークを個別に監視したデータを繋ぎ合わせることでパフォーマンスを測定していました。

パフォーマンス低下の原因を探るためにはアプリケーション、ネットワーク、サーバー、データベースといった各コンポーネントの管理ツールやそこからはき出されるログを確認することで特定していました。

こうした個別のコンポーネント監視によるパフォーマンス管理では、各コンポーネントは正常に機能しているにも関わらずシステム全体でパフォーマンス低下が発生しているといった問題に対処しづらい傾向があります。原因を特定できないとパフォーマンスの改善もできないため、ユーザーは不満をため込む一方です。

そこにはユーザーが使用するデバイスや、場所や地域など特定のトランザクションが絡む時だけパフォーマンスが低下するといった傾向があること突き止めながら原因を特定してゆくのですが、コンポーネントごとの監視とパッチワーク型の管理では、そうした原因を特定することは難しいのです。

一方、アプリケーションパフォーマンス管理は「ユーザー視点でパフォーマンスを監視する」という大きな違いが、従来の管理方法との間にあります。これはつまり数人の監視者が常にパソコンの前に座り、アプリケーションにアクセスし続けてパフォーマンスを測定しているようなものです。これによって従来の管理方法では難しかった細部までのパフォーマンス管理が実現するようになりました。

なぜアプリケーションパフォーマンス管理が必要?

前述のようにシステム環境は複雑の一途をたどっています。IaaS、PaaS、SaaSなどのクラウド技術がIT業界を台頭し、今やインフラをブラウザの向こう側に置くことは当たり前です。加えてクラウドサービスの利用も増え、さらには仮想化技術の導入によって複雑さを極めています。こうしたシステム環境では不確定要素が多過ぎて、いつどこでパフォーマンス低下が発生するかの予測がつきません。従って事前にパフォーマンス向上のための対策を立てることも難しいため、UXを維持・向上するためにはリアルタイムかつ適切な管理がとても重要になるのです。

WAN高速化ソリューションを提供する米国のリバーベッド社が行った調査※1では、世界8ヵ国(米国、ブラジル、英国、フランス、ドイツ、中国、オーストラリア、インド)の企業のうち5億ドル(約550億円)以上の収益を上げている企業の上級管理職900人を対象に、アプリケーションパフォーマンスに関するアンケートを実施しました。

この調査では次のようなことが明らかになっています。

  • 98%が最適なアプリケーションパフォーマンスが業績達成のために重要と回答
  • 89%がアプリケーションパフォーマンスの低下は自分の仕事にマイナスな影響を与えると回答
  • 58%が少なくとも週に一度の頻度でパフォーマンスの問題による影響を受けていると回答
  • 36%が毎日にのぼる頻度で業務への影響を受けていると回答
  • 41%がアプリケーションパフォーマンスの低下によって顧客や取引先の不満を招いていると回答
  • 40%がアプリケーションパフォーマンスの低下によって契約の遅延が発生していると回答

こうした調査結果から、ビジネスの観点からもいかにアプリケーションパフォーマンス管理が重要かは明白です。システム環境の複雑化が当たり前になった現代において、様々な要件を満たすためにアプリケーションパフォーマンス管理は欠かせないのです。

アプリケーションパフォーマンス管理のメリット

アプリケーションパフォーマンス管理の様々なメリットをご紹介します。

メリット① 障害対応の迅速化

アプリケーションパフォーマンス管理はユーザー視点でパフォーマンスを特定するので、従来の監視方法に比べて問題検知が迅速です。そのため必然的に障害対応が迅速化します。ボトルネックとなっている部分はシステムが自動で検出するため、管理者の負担も軽減できるでしょう。

メリット② UXとユーザー満足度の向上

アプリケーションパフォーマンスはユーザーのエクスペリエンスや満足度に大きな影響を与えます。たとえばWebサイト満足度調査※2では、ページ表示速度が1秒遅くなるだけでユーザー満足度が16%低下し、コンバージョンは7%も低下するというデータがあります。反対に、アプリケーションパフォーマンス管理を徹底すればUXとユーザー満足度は向上するということです。

メリット③ 生産性の向上

社内のシステムユーザーにとってアプリケーションパフォーマンスは業務遂行のために欠かせない要素です。パフォーマンスが低下するほど生産性も低下しますし、その分業務遂行のスピードは低下します。アプリケーションパフォーマンス管理の観点から生産性を向上すれば、より円滑な業務遂行を支援できるでしょう。

アプリケーションパフォーマンス管理を徹底するには専用ソリューションの存在が欠かせません。レイクサイド ソフトウェアが提供するワークスペースアナリティクス「SysTrack」は、物理環境や仮想環境を問わずユーザーのワークスペースを分析し、パフォーマンスを管理するためのソリューションです。そして、SysTrackが他のツールと大きく異なるのは、ユーザーの操作とシステムとの関係性を分析できる点にあります。また、問題発生時は原因を瞬時に特定し管理者に通知します。パフォーマンスに影響を与える様々な要素の状況を把握し、問題を切り分けて、素早い対応のサポートをします。アプリケーションパフォーマンス管理を導入する際は、SysTrackをぜひご検討ください。

※1 Riverbed Global Application Performance Survey 2015
※2 Gomez社ホワイトペーパー

仮想デスクトップの導入から運用までトータルに支援「SysTrack」