近年、猛威を振るっている新型コロナウイルス蔓延の影響で、テレワークやリモート会議など今まで聞き慣れなかったことを早急に導入しなければならない状況となりました。しかし、こういった環境に対応できていない企業の従業員は自社の対応に不満を抱き、従業員満足度が低下してしまう恐れがあります。

ここでは、従業員エクスペリエンス(EX:Employee Experience)の特徴や背景、向上させるメリットについて紹介します。自社の従業員体験(EX)向上について検討しているのであれば参考にしてみてはいかがでしょうか。

従業員エクスペリエンス(EX)とは一体何?

従業員エクスペリエンスとは、Employee Experience(エンプロイーエクスペリエンス)と言い、略語として「EX」と称されます。直訳では従業員(Employee)経験(Experience)です。
つまり、従業員が働いている会社で得られる経験・体験のことです。
従業員が働くことを通じて得られる金銭的価値以外での「経験・体験」であり、企業経営(マネジメント)で用いられる「顧客体験(UX)」の従業員バージョンのことです。

今日では、経験や体験をカタカナで「エクスペリエンス」と表現されることも多くなり、そしてエクスペリエンスの重要性が注目されるようになってきています。
よく耳にするのは顧客体験(UX:User Experience)とは、ユーザーエクスペリエンスの略語であり、企業のサービスを通じて得られるユーザー体験/エクスペリエンスのことです。

従来、労働とは「お金を稼ぐこと」という認識でした。しかし昨今では、容易に転職を行えたり、副業を行ったりして賃金のアップを図ることができます。そうなれば企業としては痛手となってしまいます。

そこで、賃金以外でその会社で働くことで得られる「経験・体験」というのが求められてきます。
従業員エクスペリエンス(EX)における「経験・体験」は、仕事で得られる満足度やスキルアップだけではなく、会社組織での承認・評価という点も大切なポイントになってきます。
近年海外で話題となっている従業員エクスペリエンスを紐解いていきましょう。

従業員エクスペリエンス(EX)重要性とは?必要とされる背景

新型コロナウイルスの影響でテレワークが一般的に知れ渡り、早急に導入した企業が多くみられます。しかし、そういった社員の多様な働き方により人事制度の改革や人事評価といった適正な人事施策が求められてきます。

従業員エクスペリエンス(EX)を導入し従業員のワークエンゲージメントを向上させることは、企業の持続的な成長にはかかせないものになってきています。

企業人材の流動化

昨今、終身雇用や年功序列制度の崩壊により人材の流動化が進んできています。
また、転職サイトや転職エージェントが流行ってきているため他の企業がどういった労働条件で働けるのか、自分の市場価値はどれくらいなのかをアドバイスしていただける環境が整っています。
現代では人材の流出というのは日本企業の課題でもあります。そのため、従業員エクスペリエンス(EX)をいかに引き出すかが大切になってきます。

人的資源の減少

少子化は誰しもが知っている日本の社会問題です。少子化の影響で人材自体が減少してきている現代ではいかに従業員を引き止めるかが課題となります。
追い打ちをかけるように、近年では海外で働きたいという人も増えています。働きがい・高所得を求め海外の企業で働くことを目標としている学生も少なくないはずです。
そういった中、より多くの人に「この会社で働きたい」と思ってもらえるために従業員体験を作り上げていく必要があるでしょう。

働き方改革と健康経営

2019年に働き方改革関連法が施行されました。従業員は自社が法律に違反していたり労働者が取れる義務が果たされなかったりした場合に労働へのモチベーションは一気に低下していきます。反対に、法律や義務を果たすためではなく従業員の健康を第一と考えることで従業員の会社への忠誠心は上がっていきます。こういった健康経営を目指していくことが重要となってきます。
健康経営を目指していくための手段として従業員体験(EX)を導入していくことが挙げられます。

会社の評判

昨今では、インターネットの普及により企業の評価サイトや口コミといった情報をインターネットですぐにみることができます。例えば「企業名 評価」と検索するとその企業の労働環境や給与、働きがいなどをすぐに確認することができます。これは、労働者が自社の評価をみるだけではなく、転職候補先を調べることでより一層転職に前向きになりかねません。
自社の評価を上げるためにもいかに魅力的な従業員エクスペリエンス(EX)を作り上げるかがポイントになってきます。

従業員エクスペリエンス(EX)を向上させることによるメリット

それでは、従業員エクスペリエンス(EX)を向上させることによってどのようなメリットがあるのでしょうか。メリットは大きく分けて3つあります。

1つ目は、従業員の離職率を低下できることです。現代では転職がしやすい環境となったため、いかに自社が魅力的な会社かを実感してもらうことで「転職」という考えを持たせないようにすることが大切になってきます。
2つ目は、従業員の生産性の向上です。金銭以外で働くことに目的を持ってもらうことでイキイキと仕事を行うようになり生産性の向上へと繋がります。
3つ目は、企業のイメージアップです。簡単に評価サイトをみることができるようになった現代ではその評価を上げていくことで企業の広告ともなりえます。働きやすさなどの環境が多くの人に知られれば企業価値自体が上がっていくでしょう。

これらの通り、従業員エクスペリエンス(EX)を向上させることで得られるメリットは、従業員はもちろん企業としてもプラスになってきます。

従業員エクスペリエンス(EX)を高めるための手段とポイント

従業員エクスペリエンス(EX)を高めるための手段としては、「エンプロイージャーニー(Employee Journey)の設計」があります。エンプロイージャーニーの設計はエンプロイー ジャーニー マップとも呼ばれます。
エンプロイー ジャーニー マップとは、従業員が入社してから退職するまでの経験を図で表したものです。従業員が働いた時に良いエクスペリエンスをしているかを視覚として確認するために用いられる手法です。
では、なぜエンプロイー ジャーニー マップは必要なのでしょうか。

それは、視覚として従業員の良かったエクスペリエンスを把握することで、将来的に企業が具体的なアクションプランを策定することができるようになるからです。
人事施策では、企業から従業員へ評価を行います。ですので、従業員は「なぜそのような評価なのか」、「何をしたら良い評価になるのか」ということを考えます。その考えを見える化することで企業・従業員の両者にとって最適なアクションプランの策定に役立つでしょう。
従業員エクスペリエンス(EX)の向上を図るための施策として必要なポイントは下記の2点です。

  1. 従業員を中心とした業務環境と制度の整備
  2. 組織が目指す業務の明確化

従業員と組織の両社の目線で考えることが大切になってきます。この2つを細かく確認していきましょう。

ポイント1. 従業員を中心とした業務環境と制度の整備

従業員が軸となる考え方です。従業員が業務を遂行するうえで自己成長ができるというイメージを持てるように制度を整えていきましょう。具体的な制度として、的確な人事制度の設計、上司から部下への良質なアウトプット、社内報の活用、従業員向けのアンケートの実施などが挙げられます。
従業員目線で制度を整備していき従業員がワークエンゲージメントを持ってもらうかを意識していきましょう。

ポイント2. 組織が目指す業務の明確化

組織が軸となる考え方です。組織がPDCAサイクルを回していくことが重要になってきます。たとえ、従業員向けに的確な人事制度を設計できたり、アンケートを実施したりしたとしてもそこで得られた情報を活用できていなくては意味がありません。どういったことで従業員が自己成長できるイメージを持てるかという計画を立て、具体的な制度を実施し、それを振り返り確認を行い、再度改善を行っていく必要があるでしょう。

手間をかけずにEXを向上させるなら

従業員エクスペリエンス(EX)を向上させるために、従業員サーベイのツールやクラウドによる仕事の満足度調査や、オフィス環境の改善などもありますが、働き方改革の推進により従業員エクスペリエンス(EX)を最適化しながらコスト効率が良いIT運用は、企業や担当者の負担が非常に大きくなってしまいます。

そういった手間をかけずに従業員エクスペリエンス(EX)を向上させたいのであれば、Lakeside Softwareの「SysTrack」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
SysTrackは、従業員が利用するパソコンやソフトの監視・分析・数値化することで既存の利用環境を見える化するためのソリューションです。

従業員の働き方やIT利活用の実態を見える化することが重要になってきます。しかし、昨今ではタブレットやスマートフォンの普及もあり管理が必要なデバイスが多様化してきています。複雑化しているIT運用をシンプルに分析・一元化していくことが従業員体験(EX)を向上させていくことの第一歩となるでしょう。

まとめ

企業では人材流出を防ぐことはもちろん、人材を集めることを意識していかなくてはいけません。従業員のスキル、能力、モチベーションを高めることが今まで以上に企業の業績に直結していくことが理解できたかと思います。
環境が変わりやすい現代において、従業員と組織の意識のギャップが起こりやすくなっています。従業員一人ひとりの個性や思考性を考慮したうえで施策を準備していくことが大切になってきます。中期・長期で取り組んでいく中で、環境に応じて柔軟に変革していくことが従業員エクスペリエンス(EX)向上の近道となっていくでしょう。