「~ as a Service(サービスとしての○○)」という言葉が一般化しています。SaaS(Software as a Service)はインターネット上で提供されるアプリケーションサービスだということをすでに多くの人が理解していますし、IaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)、DaaS(Desktop as a Service)、DBaaS(Database as a Service)などいろいろな「~ as a Service」が存在しています。

このような中で、皆さんに知っていただきたいのがWaaS(Windows as a Service)です。WindowsといえばMicrosoftが提供しているオペレーティングシステム(OS)です。現在最新版となっているのがWindows 10(2015年7月リリース)というのはご存知でしょう。Windows 7が2020年1月14日に延長サポートが終了するということで、現在、Windows 10への移行を実践しているという企業や組織も多いと思います。

今回はWindows 10への移行を検討している企業や組織の方々が知っておきたいWaaSに関してご紹介します。端的に説明してしまうとWaaSとは「サービスとして提供されるWindows」ということになりますが、Windowsがサービスとして提供されるとは一体何なのでしょうか?

WaaSとは?Windowsの新しいカタチ

Windows 10以前のバージョンとなるWindows 8.1やWindows 7といったOSはメジャーバージョンアップに加えて、サービスパックとして新しい機能が提供されてきました。つまりWindows 7 SP1の「SP1(Service Pack 1)」などが そのサービスパックです。

Windows 7の提供開始が2009年8月であり、その約2年後となる2011年2月にWindows 7 SP 1がリリースされています。Windows 7のサポート終了が2013年4月となっていたので、ユーザーはWindows 8以降へのバージョンアップまでに2年間の猶予があったことになります。このケースと同じように、Windowsは従来、数年に1回のサービスパック適用によって新しい機能やデザイン、問題修正を提供していました。

そしてWindows 10においても従来と同じように数年に1回のサービスパックの適用により、機能やデザイン等が新しくなると考えている方は多いでしょう。しかし、Windows 10ではこれまでとまったく違った形態でWindowsを提供しています。それこそがWaaSという概念です。

Windows 10では従来のサービスパックに相当する機能更新プログラムが、年2回ネットワークを介して提供されています。これによってWindows 10には「バージョン」という概念が事実上無くなり、半期ごとに新しい機能追加されます。

Windowsではこれまで、数回のサービスパックが適用されると新しいメジャーバージョンをリリースし、ユーザーはその度にバージョンアップを行うか、Windowsを買い替える必要がありました。Windows 10になり、こうした概念は無くなりWindowsそのものはサービスとして提供されるようになり、メジャーバージョンアップも無くなっています。つまりこれから先、Windows 10はWindowsのままで、新しい機能やデザインだけがインターネット越しに更新されていくということです。

WaaSを理解するポイント

WaaSを理解するにあたって忘れてはいけないのが更新プログラムごとのサポート期間です。前述のように、Windows 7ではWindows SP1へのアップグレードまでに2年間の猶予がありましたし、その他のバージョンに関しても大体同じくらいの猶予期間が設けられていました。

Windows 10では年2回の更新プログラムにそれぞれ18ヵ月のサポート期間が用意されており、こうした提供形態をSAC(Semi-Annual-Channel)と呼ばれます。更新プログラムの適用が難しい環境向けにはLTSC(Long-Term Servicing Channel)という形態も用意されています。

このため、Windows 10へ移行した後には下記のような計画を立てる必要が出てきます。

  • 更新プログラムが現在のPC環境に与える影響を検証する
  • PCごとに個別に更新プログラムを反映するか、あるいは全社一括で反映するかを検討する

Windows 10では年2回の更新プログラムが適用されるわけですから、こうした計画を最低でも年2回のペースで立案/実行しなければいけません。このことから多くの企業や組織では大きな負担となっていただけでなく更新漏れなどによるセキュリティリスクが問題視されていたのです。

このような背景からWaaSは組織のWindows運用にとても大きな影響を与えると言ってよいでしょう。

WaaSの利点とは?

ここまでの解説で、Windows 10へ移行することでWaaSサービスを利用できるため、すでにその恩恵を受けている組織は多数存在します。

たとえばWaaSによってネットワーク経由で更新プログラムを適用できることは、従来のWindowsに比べてとても大きな利点でしょう。従来のサービスパックでは組織が個別に対応しアップデート作業を行わなければいけなかったので、この作業がWaaSによって自動で管理されるため大幅に工数削減されます。

米調査会社のガートナーによると、日本企業のWindows 10移行状況は全体の3割程度にとどまっているそうです。世界では平均して7割の企業がWindows 10へ移行しているので、日本はWindows 10活用は後発組ということになります。
出典:日本企業は遅れているWindows 10移行--ガートナーの助言

その理由としてWindows 10でWaaSという概念が導入され、更新プログラムなどがサービスとして提供されるようになったことで運用負担が増えるのではないかという懸念が挙げられます。さらに「必要のない機能が更新によって追加されてしまう」と心配する声もあります。
参考:Windows 10のWaaSが中小企業に与える影響、ノークリサーチが調査

しかし、セキュリティ面や最先端の機能を使えないことによる生産性の低下を考慮するとバージョンアップをいち早く取り組むべきと言えるでしょう。

大切なことは自動で更新される更新プログラムが、現在自社がどのような環境でWindowsを利用しているのか、そして、最新のWindowsになったことでどのような影響が想定されるのか、適用した後にどのような問題が発生しているのかを理解することが重要になります。これはWaaSに提供に限ったことではありません。このような状態を把握するためにレイクサイドのSysTrackは存在します。
レイクサイドではWindows 10へのスムースな移行のためのソリューションを提供しています。Lakesideでは、“SysTrack Desktop Assessment for Windows 10”をご用意しておりますので、ぜひご利用してみてください。

皆さんもこの機会に、Windows 10への移行およびWaaS適用についてSysTrackとともに具体的に検討していきましょう。

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