デザイン業界にかかわらずビジネスシーンで注目されている「ユーザーエクスペリエンス(UX)」についてご紹介します。
ユーザーエクスペリエンスと聞いて、「何となく意味は分かるけれど、詳しいことまでは…」という方は多いでしょう。近年では、これを専門に扱うUXデザイナーなる仕事も増えていることから、これからのビジネスに与える影響度が高いことは理解できます。今回は企業や組織におけるユーザーエクスペリエンス(UX)についてご紹介します。

ユーザーエクスペリエンスとは?

ユーザー(消費者や顧客企業)が製品(モノ)やサービス(コト)を通じて得た体験のことを、ユーザーエクスペリエンスと言います。世界的に標準化された定義は存在せず、企業ごとに定義されることが多いため、概要を説明するとなんともフワッとしたものになります。ただし、数ある定義に登場する共通要素があります。

  • ユーザーと外部(モノ、コト、環境など)との対話
  • ユーザーの内側で起こる心理的プロセス
  • 結果としてユーザーが得る記憶や印象

この共通要素から読み取ると、ユーザーエクスペリエンスとは「ユーザーが触れるモノ・コト・環境などあらゆる外部要因に対する、ユーザーの内側で起きる心情の変化と、その結果としてユーザーの頭の中に残る記憶や印象、または感情」だと言えます。

ユーザーインターフェースとの違い

インターフェースは一般的に「接触面」を意味する言葉です。コンピューター分野では、パソコンなどの機器と別の機器を繋ぐための接続部分を表します。たとえばパソコンに搭載されているUSB接続口は、パソコンと他の機器を繋ぐためのインターフェースです。

一方、ユーザーインターフェース(UI)はユーザーとコンピューターの接触面を意味し、分かりやすく言えば皆さんが普段使用しているパソコンなどの操作画面を指します。スマートフォンで使っているアプリのボタン、画像、テキスト、デザインなど外観にかかわる情報全体をユーザーインターフェースと呼びます。駅の券売機を使う際の、画面に表示されるボタンやデザインなども同様です。

ユーザーインターフェースという概念が存在するのは、ボタンの押し間違えや年齢層ごとに最適な文字の大きさなど、ユーザーにとって使いやすい画面設計を行うためであり、デザインの世界ではユーザーインターフェイスの設計がその成果を左右するほど重要です。

なぜ、ユーザーエクスペリエンスという概念が必要なのか?

たくさんの機能が搭載されていて、安全性が高くて、さらに低コストの製品ならば自然と売れるという考え方は過去の遺産と言っても過言ではありません。「良いモノが自然と売れる」という時代は終わり、今ではモノやコトを通じで良質な体験をいかに提供できるか?がビジネスで重視されています。

ユーザーエクスペリエンスが世間に浸透していくきっかけの1つにもなったのが、米スターバックス社の会長兼CEOであるハワード・シュワルツ氏が発言した、「スターバックスはコーヒーを売っているのではない。体験を売っているのだ」という言葉です。世界で最も有名なコーヒーショップでは、店舗を「3rd Place(第三の場所)」と位置付けて、日常で手に入れることができる少しリッチな時間を提供することを心掛けています。

一般的なカフェでは商品代金を支払い、トレーに載ったコーヒーをただ受け取るのが通常です。スターバックスではバリスタ(コーヒーの専門家)が商品を提供することにこだわり、さらにユーザーは待ち時間で自分のコーヒーが注がれる様子を見ながら、自分のもとに届けられるまでの時間を楽しめます。店内はお洒落なインテリアが配置され、その空間すべてが1杯の美味しいコーヒーをいただくために設計されているのです。
スターバックスコーヒーでは高価な高級豆を使用することにこだわっているわけではありませんし、コーヒーの味も素人からすれば、他のカフェやコーヒーショップと比べても大きな違いないかもしれません。それでも他を圧倒しているのは、ユーザーエクスペリエンスを真剣に考えているからです。

似たような製品やサービスが溢れ、単なる商品力では競合他社との差別化が難しくなっている現代ビジネスにおいて、高い市場シェアを獲得するにはどうすればよいのか?その答えの1つがユーザーエクスペリエンスであり、ユーザーがモノやコトを通じて得られる体験という価値を向上することで、商品価値もブランド価値も向上し、競合優位性を手に入れることができるのです。

企業内でもユーザーエクスペリエンスが欠かせない要素に

この概念を適用できるのは、ユーザー向けに提供している製品やサービスだけではありません。企業内の情報システムについても同様です。現代の企業にとって情報システムは必要不可欠な要素であり、ほとんどの従業員がパソコンを含めた情報システムを活用しながら日々の業務を遂行しています。その一方で、この情報システム環境のユーザーエクスペリエンスが悪いと社員は不満を募らせ、企業全体の生産性に大きな影響を与えます。つまり、企業の情報システム部門は、システムのユーザーエクスペリエンスがどうかを常に確認しながらより良い環境を作り出すことが求められています。

では、社内ユーザーに対してユーザーエクスペリエンスの概念を取り入れるには、どうすればよいのでしょうか?

情報システムを利用するユーザーの体験品質を向上するにはまず、現時点でユーザーが何を感じているかを把握していきます。ただし、多くの企業の場合、一人一人にアンケートを取る時間もありませんし、IT環境それぞれをそれぞれの管理ツールで確認するのも非現実的です。そのような場合には社内全体の環境をユーザー視点で監視できるソリューションの導入が必要不可欠となります。この監視ソリューションを整えれば、ユーザーがパフォーマンスの低下を感じる前に問題を瞬時に特定して対処できることが多くなるため、ユーザーエクスペリエンスを向上するのに貢献し、ビジネス目標を達成するためにより効率的に業務をこなしていけるでしょう。

ビジネスにユーザーエクスペリエンスを取り入れよう!

ユーザーエクスペリエンスは、会社全体ひいては社会全体で取り組むべき重要な要素です。ぜひ、この機会にユーザーエクスペリエンスをビジネスへ取り入れることを検討し、取り組みを始めてみてはいかがでしょうか?

社内向けにユーザーエクスペリエンスを取り入れる場合は、Lakesideが提供する「SysTrack」をおすすめします。SysTrackは社内全体のコンピューターリソースやIT機器を総合的に監視し、パフォーマンスや稼動状態を常にチェックすることでユーザーの体験品質の向上に大きく貢献するモニタリングソリューションです。さらに、IT資産の最適化によるITコスト削減や、シャドーITの抑止など幅広い効果を持ちます。ユーザーエクスペリエンスを向上するためにも、ぜひSysTrackをご検討ください。

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ユーザー エクスペリエンス モニタリング