Windows Virtual Desktop がPublic Preview になりました。
(外部サイト)Windows Virtual Desktop - The best virtual desktop experience, delivered on Azure

同時に以下のような記事も出ています。
(外部サイト)Windows Virtual Desktop のパブリック プレビュー開始を発表
(外部サイト)Windows Virtual Desktop プレビューとは

少し触ってみましたが、現時点では Windows Virtual Desktop (以下、WVD)用の管理UIのようなものはあまり存在せず、Azure ADの画面とAzure Portalの画面で操作しながらWVD固有の管理操作はPowerShell (Microsoft.RDInfra.RDPowerShell)で実施するようなUIになっているようです。クライアントはWindowsストアのリモートデスクトップクライアントを使うと、Azure ADなどから自動的にBrokerをはじめとする接続情報を取得するようなつなぎかたになっていました。

本稿ではWVDの概要や特徴を確認した後にSysTrackを利用したアセスメントについて紹介させて頂きます。

Windows Virtual Desktop - 前提となる知識

Windows Virtual Desktop は以下のいずれかのライセンスを持っているユーザーが使うことが出来ます。

  • Microsoft 365 E3/A3
  • Microsoft 365 E5/A5
  • Microsoft 365 F1
  • Microsoft 365 Business
  • Windows 10 Enterprise E3/E5
  • Windows 10 Education A3/A5
  • Windows 10 VDA per user

常識なのかもしれませんが、Microsoft 365 E3/E5, Microsoft 365 A3/A5 を持っているとVDAライセンスは不要になるようです。
上記のライセンスに加えてAzureのインフラ分の課金が加わることになります。
絶妙だな、と思ったのはインフラ課金の部分に関しては、1年または3年の予約VMインスタンスを推奨していることでこちらは紹介ページの割引率だとすると最大で8割引きとなるので例えば稼働時間をPay-As-You-Go で調整した場合、月7200時間の20%、つまり144時間以上稼働する場合は予約インスタンスが得な計算になるのですが、月に1日8時間程度を稼働すると月21日~22日としてもちょうどこの損益分岐点を上回るようになっていてよく考えられているな、と思いました。

どちらにしろ、Windows Virtual Desktopと言う新しい製品をリリースした、と言うよりは Microsoft 365 + Azure と言うサブスクリプション型の製品に新しい付加価値が加わった、とみるべきではないかな、と思います。
つまりMicrosoft側は単純にWVDを使うだけでなくお客様のアプリケーション基盤もAzureで動かし、そこに直接接続するWVD、更にそこで使われるOffice 365、と言うエコシステムを作るための選択肢の一つを追加した、と考えるべきではないかと思います。

Windows Virtual Desktop - 注目すべき特徴

現時点でWindows Virtual Desktop で注目すべき機能は以下の二つの点ではないかと思います。

  • Windows 10 Multi-Session をサポートする唯一の基盤
    ⇒ コスト効率の良いユーザー集約
  • Windows 7 Extended Security Updates (ESU) のサポート
    ⇒ Windows 7のセキュリティアップデートを2023年1月まで入手可能

Windows 10のマルチセッションはやはりセッションが集約できることによりインスタンス課金の節約メリットもあると思いますが、サーバーOSを使ったSBC方式よりもアプリの互換性が高いのではないか?と言う期待もあると思います。この辺が事例などを通じて固まってくるとかなり強力なソリューションになるのではないでしょうか。もちろんここに  Remote Desktop Services 2019 など Windowsの新しい機能やサービスが更に加わってくるのではないかと思います。
Windows 7 ESUについてはWindows 7で動くアプリケーションをVDIに集約して端末はWindows 10 に移行し、徐々にESU環境で動かすアプリケーションを減らしていくという緩やかな移行プランをWVD内で完結できるところが魅力ではないかと思います。

なお、デスクトップはMCS型(Horizonで言うとリンククローン型)の展開方式もサポートしたようですが、マスター更新⇒展開のワークフローは詳細に確認出来ませんでしたので本稿では触れないでおきます。

SysTrack によるWVD 移行アセスメント

Lakeside SoftwareはWVDのLaunch Eco Partnerとなっていますが、以下のサイトで無償のWVD移行アセスメントが行えるようになっています。

Windows Virtual Desktop Assessment with SysTrack

WVD移行におけるチャレンジとはどのようなものがあるでしょうか?
もちろん通常のVDI移行のような難しさもあると思いますが、やはりマルチセッション型のWindows 10 デスクトップにどのように考えるか?と言う点に尽きると思っています。
SysTrackでは現行環境の利用状況をエージェントで収集した情報を基に分析し、一定の指針を出すことが出来ます。

本稿では簡単にSysTrackでのアプローチを紹介します。

(1) 利用ユーザーの分類

SysTrackではユーザーのCPU/メモリの利用状況に応じてユーザーのペルソナを分類する機能があります。
こちらを使ってユーザーを3分類していきます。

分析例:検出された利用階層とそれらのリソースの特徴に関する内訳

カテゴリー ユーザー数 平均CPU使用量
(MIPS)
平均メモリ使用量(MB) 平均IOPS 平均ネットワークスループット
(Mb/秒)
30 300 800 8 0.6
40 1900 2000 15 0.6
10 8000 6000 30 3.1

(2) 同時利用ユーザーの分析

更に全体の中でユーザーがアクティブに使う時間を分析します。
先ほど予約インスタンスのためにWVD環境では詳細な稼働時間を調整する必要はないことを説明しましたが、場合によっては「最低限の予約インスタンス」+「ピーク時間にだけ動かすPay-As-You-Go」インスタンスなどを検討する方が効率がよくなることも考えられます。これはお客様環境の同時利用状況を分析しないと分からない事です。

注:このようなインスタンスの組み合わせ利用が実際に可能かは担当営業にもご確認ください

(3) インスタンスと集約率の分析

先ほどのユーザー分類を実際にAzureインスタンス毎の集約率で分析してみたときの結果を考えてみます。
ヘビーユーザーは一般的にはリソース利用状況の上下が激しいため、マルチセッション適合度は低くなるため、以下の例では「困難」となっていることも分かります。
以下の例で見ると「理想的」なカテゴリーのユーザーの場合B8msインスタンス(8vCPU/32GB RAM)の場合二つほど必要ですが、「可能性あり」のユーザーと合わせて4VMくらいの計算になります。
(もちろん実際は安全率なども考慮して1-2VM足すことも考慮されると思います)
「困難」とされたユーザーにはマルチセッションに拘らず占有のデスクトップを与えてしまう事も検討してよいのではないかと思います。(もちろん不要なワークロードが動いていないかの精査もされた上での検討になると思います)

分析例:カテゴリー毎のAzureにおけるVMのサイズに応じて予想されるユーザー密度

カテゴリー ユーザー数 B8msでのユーザー密度 Standard_D16s_v3でのユーザー密度
理想的 30 25 50
可能性あり 40 20 40
困難 10 5 10

是非お客様の環境でWVDへ移行する際にどのくらいのリソース・コストが必要になるか実際に確認してみてください。

Windows Virtual Desktop アセスメント

参考情報

(英文)Lakeside Software Partners with Microsoft for Windows Virtual Desktop on Azure | What That Means for You
(英文)Windows Virtual Desktop in Public Preview: Free Tool to Determine if WVD Is Right for You
Windows Virtual Desktop Assessment with SysTrack

(外部サイト)Windows Virtual Desktop 
(外部サイト)Windows Virtual Desktop のパブリック プレビュー開始
(外部サイト)Windows Virtual Desktop のパブリック プレビュー開始を発表
(外部サイト)Windows Virtual Desktop プレビューとは